【レポート】スーパー耐久 第4戦もてぎ5時間レース!
2020.12.01
ツインリンクもてぎで行われた第4戦のレポートです😎
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PIRELLIスーパー耐久シリーズ2020第4戦
もてぎスーパー耐久5Hours Race
11月21〜22日 ツインリンクもてぎ
無念の3位も、しっかりランキングトップを死守!
スーパー耐久シリーズに参戦するC.S.I Racingは、今シーズンもAドライバーに久保凜太郎を、Bドライバーに細川慎弥を引き続き起用。さらにCドライバーとして坪井翔を新たに加え、「GR Garage水戸インターGR 86」で2シーズン目のST-4クラスに挑む。
今シーズンは最終戦が2021年の1月に行われる、さながらスーパーシーズンであるだけに、今回ようやく第4戦となり、シーズン後半戦に突入。その舞台、ツインリンクもてぎはホームコースであるばかりか、昨シーズン初優勝を飾った非常に相性も縁起もいいコースだ。
開幕からの連勝は、前回の岡山で序盤に後続車両に追突され、コースアウトによる遅れを取り戻せず「2」でストップしてしまったが、その後も諦めずに走り続けて5位でゴール。その結果、ランキングトップも死守することができた。また、ウエイトハンデは25kgのまま、逆に2位、3位の方が30kgで上回る“マジック”もあるだけに、引き続き活躍が期待できそうだ。なお、今回は久しぶりの全クラス混走、5時間レースとしての開催となる。
公式予選
金曜日の午前にグループ1と2に分けて1時間ずつ、午後に全クラス混走で2時間、専有走行が行われた。しかし、どうにも「GR Garage水戸インターGR86」に、ピリッとした様子がない。午前はトップから1秒4遅れでの2分11秒858を出すに留まり、4番手に。午後は2番手ながら2分12秒869という結果だった。
もちろん、セッションごとセッティングを変更してはいるのだが、なかなかトンネルから抜け出せずにいる状況の中で土曜日に、予選に挑むこととなる。まずAドライバー予選に臨んだ久保は、探りながらの走行で、徐々にタイムを詰めてはいったものの、トップから1秒遅れの2分11秒287で3番手。
Bドライバー予選においても、トップは2分9秒台への突入を果たしたにも関わらず、細川は2分10秒918で4番手。その結果、今季初めてポールポジションを逸したばかりか、「GR Garage水戸インターGR86」は合算タイムで4番手に甘んじてしまう。
だが、この後に行われたCドライバー予選で大幅にマシンのバランスを改めたところ、坪井はユーズドタイヤでの走行だったため、タイムは2分12秒080であったものの、好印象を強く伝えるまでに。ようやく決勝に向けて光明が見えてきた。
久保凜太郎
う〜ん、今週クルマがあんまりパリッとしていなくて、走り出しからいい状態ではなかったんです。そこから抜け出し切れなかったという予選でした。僕もまとめきれていないし、情けない感じになっちゃったかな。ただ、A、Bドライバー予選の後、Cドライバー予選でマシンのバランスをガラッと変えていったら、坪井選手がいいタイムを出してくれたので、そういう意味ではポジティブな状況になっています。「明日は行けるかな?」という感じです
細川慎弥
やれることはやったんですが、今回はまわりも速くてポジション的には4番手ですけど、決勝ペースは蓋を開けてみないと分からないから、予選の後はバランス的に取れるようになってきたので、しぶとく戦うつもり。長いレースですから、ミスなくみんなが出し切れれば、いい結果が残るんじゃないでしょうか。
決勝レース
今回は全クラス混走レースのため、決勝レースは日曜日の昼からのスタートとなった。それに先駆けて行われた、GR 86/BRZレースのプロフェッショナルシリーズでは坪井が初優勝、久保が悲願のシリーズチャンピオンを獲得! ただし、余韻に浸っていられたのは、ほんのわずかな時間。何せ86/BRZレースの終了から、スーパー耐久のスタート進行までのインターバルは30分にも満たないのだから。そんな慌ただしいチームメイトに代わって、ピットからグリッドまで「GR Garage水戸インターGR86」の移動を細川が買って出ていたほどだ。
今回のスタート担当は坪井。オープニングラップのうちに1台をかわしていくも、続いて前を行く2台に襲いかかるほどのスピードはない。それでも、大きな遅れをとることなく、4台でのトップ争いを繰り広げる。そんな中、12周目には4番手に後退。
38周目に久保に代わると、素早いピットワークで同じ周に入ってきた車両をかわして、再び3番手に。そのままポジションをキープし続けていたのだが、60周目にドライビングスルーペナルティを命じられてしまう。久保の走行中に接触があり、これが危険なドライブ行為と判定されたからだ。やむなく久保は次の周、ピットに舵を取る。
折り返しを過ぎてまもなくの69周目、ここからは細川の番。だが、ポジションは4番手のまま、周回を重ねざるを得ず。そして、残り1時間20分を切った96周目に坪井は再び「GR Garage水戸インターGR86」に乗り込むこととなる。
そしてゴールまで20分強というタイミングで、2番手を走行していた車両が電気系トラブルを抱えたため、3番手に浮上。しかも、坪井は淡々と走り続けていただけではない。交代時に前を行く車両とは1分ほどあった差を、30秒を切るまでに縮めていたのだから。まさに意地を見せた、ということなのだろう。
3位という結果を得たことで、差は6ポイントまで縮まったとはいえ、依然としてランキングトップは死守。「GR Garage水戸インターGR86」と久保、細川、坪井は、残り2戦も全力を尽くす。
久保凜太郎
良かったです。他のチームの後退にも救われましたが、とりあえず……。ちょっとクルマ的には足りないことが、また明らかになりましたので、もう一回見つめなおします。チャンピオン獲れるように次までに仕切り直しますので、ご期待ください。ドライビングスルーの素は僕。全然納得いかないんですけど、仕方ない、もらってしまったものはもらってしまったんですから。次から気をつけます。
細川慎弥
ちょっとまわりが速いですね。いろいろありましたが、うちとしては3位でポイントを重ねられたので、最悪の事態は免れたと思います。あと2戦。今回はエンジンの差が大きく出ていたので、でも残りはそこまでエンジンパワーが影響するレイアウトでもないので、一回クルマは見直していきたいと思います。
坪井翔
朝からバタバタし過ぎて、何があったか覚えていないんですけど、いろいろあり過ぎて(苦笑)。今回、僕らにはスピードがなかったので、そこは純粋に負けを認めて、しっかりやらなきゃいけないことを見つめ直してやっていきたいと思います。幸い、走りきれて3位を獲れたので、ランキングのトップも守りきれているので、残り2戦、今回のスピードをしっかり追求して、また勝てるように頑張りたいと思います。
(文:秦直之)
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PIRELLIスーパー耐久シリーズ2020第4戦
もてぎスーパー耐久5Hours Race
11月21〜22日 ツインリンクもてぎ
無念の3位も、しっかりランキングトップを死守!
スーパー耐久シリーズに参戦するC.S.I Racingは、今シーズンもAドライバーに久保凜太郎を、Bドライバーに細川慎弥を引き続き起用。さらにCドライバーとして坪井翔を新たに加え、「GR Garage水戸インターGR 86」で2シーズン目のST-4クラスに挑む。
今シーズンは最終戦が2021年の1月に行われる、さながらスーパーシーズンであるだけに、今回ようやく第4戦となり、シーズン後半戦に突入。その舞台、ツインリンクもてぎはホームコースであるばかりか、昨シーズン初優勝を飾った非常に相性も縁起もいいコースだ。
開幕からの連勝は、前回の岡山で序盤に後続車両に追突され、コースアウトによる遅れを取り戻せず「2」でストップしてしまったが、その後も諦めずに走り続けて5位でゴール。その結果、ランキングトップも死守することができた。また、ウエイトハンデは25kgのまま、逆に2位、3位の方が30kgで上回る“マジック”もあるだけに、引き続き活躍が期待できそうだ。なお、今回は久しぶりの全クラス混走、5時間レースとしての開催となる。
公式予選
金曜日の午前にグループ1と2に分けて1時間ずつ、午後に全クラス混走で2時間、専有走行が行われた。しかし、どうにも「GR Garage水戸インターGR86」に、ピリッとした様子がない。午前はトップから1秒4遅れでの2分11秒858を出すに留まり、4番手に。午後は2番手ながら2分12秒869という結果だった。
もちろん、セッションごとセッティングを変更してはいるのだが、なかなかトンネルから抜け出せずにいる状況の中で土曜日に、予選に挑むこととなる。まずAドライバー予選に臨んだ久保は、探りながらの走行で、徐々にタイムを詰めてはいったものの、トップから1秒遅れの2分11秒287で3番手。
Bドライバー予選においても、トップは2分9秒台への突入を果たしたにも関わらず、細川は2分10秒918で4番手。その結果、今季初めてポールポジションを逸したばかりか、「GR Garage水戸インターGR86」は合算タイムで4番手に甘んじてしまう。
だが、この後に行われたCドライバー予選で大幅にマシンのバランスを改めたところ、坪井はユーズドタイヤでの走行だったため、タイムは2分12秒080であったものの、好印象を強く伝えるまでに。ようやく決勝に向けて光明が見えてきた。
久保凜太郎
う〜ん、今週クルマがあんまりパリッとしていなくて、走り出しからいい状態ではなかったんです。そこから抜け出し切れなかったという予選でした。僕もまとめきれていないし、情けない感じになっちゃったかな。ただ、A、Bドライバー予選の後、Cドライバー予選でマシンのバランスをガラッと変えていったら、坪井選手がいいタイムを出してくれたので、そういう意味ではポジティブな状況になっています。「明日は行けるかな?」という感じです
細川慎弥
やれることはやったんですが、今回はまわりも速くてポジション的には4番手ですけど、決勝ペースは蓋を開けてみないと分からないから、予選の後はバランス的に取れるようになってきたので、しぶとく戦うつもり。長いレースですから、ミスなくみんなが出し切れれば、いい結果が残るんじゃないでしょうか。
決勝レース
今回は全クラス混走レースのため、決勝レースは日曜日の昼からのスタートとなった。それに先駆けて行われた、GR 86/BRZレースのプロフェッショナルシリーズでは坪井が初優勝、久保が悲願のシリーズチャンピオンを獲得! ただし、余韻に浸っていられたのは、ほんのわずかな時間。何せ86/BRZレースの終了から、スーパー耐久のスタート進行までのインターバルは30分にも満たないのだから。そんな慌ただしいチームメイトに代わって、ピットからグリッドまで「GR Garage水戸インターGR86」の移動を細川が買って出ていたほどだ。
今回のスタート担当は坪井。オープニングラップのうちに1台をかわしていくも、続いて前を行く2台に襲いかかるほどのスピードはない。それでも、大きな遅れをとることなく、4台でのトップ争いを繰り広げる。そんな中、12周目には4番手に後退。
38周目に久保に代わると、素早いピットワークで同じ周に入ってきた車両をかわして、再び3番手に。そのままポジションをキープし続けていたのだが、60周目にドライビングスルーペナルティを命じられてしまう。久保の走行中に接触があり、これが危険なドライブ行為と判定されたからだ。やむなく久保は次の周、ピットに舵を取る。
折り返しを過ぎてまもなくの69周目、ここからは細川の番。だが、ポジションは4番手のまま、周回を重ねざるを得ず。そして、残り1時間20分を切った96周目に坪井は再び「GR Garage水戸インターGR86」に乗り込むこととなる。
そしてゴールまで20分強というタイミングで、2番手を走行していた車両が電気系トラブルを抱えたため、3番手に浮上。しかも、坪井は淡々と走り続けていただけではない。交代時に前を行く車両とは1分ほどあった差を、30秒を切るまでに縮めていたのだから。まさに意地を見せた、ということなのだろう。
3位という結果を得たことで、差は6ポイントまで縮まったとはいえ、依然としてランキングトップは死守。「GR Garage水戸インターGR86」と久保、細川、坪井は、残り2戦も全力を尽くす。
久保凜太郎
良かったです。他のチームの後退にも救われましたが、とりあえず……。ちょっとクルマ的には足りないことが、また明らかになりましたので、もう一回見つめなおします。チャンピオン獲れるように次までに仕切り直しますので、ご期待ください。ドライビングスルーの素は僕。全然納得いかないんですけど、仕方ない、もらってしまったものはもらってしまったんですから。次から気をつけます。
細川慎弥
ちょっとまわりが速いですね。いろいろありましたが、うちとしては3位でポイントを重ねられたので、最悪の事態は免れたと思います。あと2戦。今回はエンジンの差が大きく出ていたので、でも残りはそこまでエンジンパワーが影響するレイアウトでもないので、一回クルマは見直していきたいと思います。
坪井翔
朝からバタバタし過ぎて、何があったか覚えていないんですけど、いろいろあり過ぎて(苦笑)。今回、僕らにはスピードがなかったので、そこは純粋に負けを認めて、しっかりやらなきゃいけないことを見つめ直してやっていきたいと思います。幸い、走りきれて3位を獲れたので、ランキングのトップも守りきれているので、残り2戦、今回のスピードをしっかり追求して、また勝てるように頑張りたいと思います。
(文:秦直之)