【レポート】GR86/BRZ Cup 開幕戦 富士スピードウェイ
2022.08.06
COROLLA SHIN-IBARAKI CSIRacing
GR86/BRZ Cup 2022 開幕戦
7月16~17日 富士スピードウェイ
予選:ウェット
決勝:ドライ
2021シーズンまで86/BRZRaceとして開催されたワンメイクレースは、今年から新型GR86と新型SUBARU BRZにマシンが変わり、新たにGR86/BRZCupとして新シーズンがスタート。さらにクラブマンシリーズはタイヤがダンロップ1択となり、昨年までのようなコンディションによるタイヤの差がなくなりました。プロフェッショナルシリーズはこれまで通りタイヤに選択肢があります。今シーズンはクラブマンシリーズに社員ドライバーの岡田スタッフ、塙スタッフがエントリー。
クラブマンシリーズ/出走台数50台
▶#311 岡田 友輔 選手
予選 P15/決勝 P13
▶#312 塙 瞬佑 選手
予選 P22/決勝 P14
ウェットコンディションが多いレースウィークとなった開幕戦。
一般店舗からはシーズンを通して参加の宮部スタッフ、スポットとしてベテランの橋本スタッフがサポートしてくれます✨
走行開始初日のスポーツ走行からウェット。。。
ですが、予選・決勝もウェットの可能性があるのでセットの確認を繰り返します💪
降ったり止んだりを繰り返す微妙な天候の中走行を重ねていきました。
昨シーズンまではエキスパートクラスとオープンクラスに分かれていたクラブマンシリーズですが、今シーズンはクラスがひとつになり、エキスパートクラス経験のドライバー、オープンクラス経験とライバー、さらには初エントリーのドライバーがひしめき合っています。
迎えた予選の朝はバケツをひっくり返したような土砂降り☔😭
午後の予選前には雨は小降りになったものの、路面はウェット。
岡田選手はトップから約3.6秒落ちの15番手。
塙選手はトップから約4.8秒落ちの22番手。
50台での予選はコース上のマシンも多く、クリアを取るのに苦労したようです。
塙ドライバーは最後にワンアタックするも、途中で赤旗が出てしまい。。😭
悔しさの残る予選から迎えた決勝。
降りそうで降らない曇り空はギリギリ降らずにドライコンディション。
塙選手はオープニングラップで数台オーバーテイクし、16位までポジションアップ👆
岡田選手も2ポジションアップ!
最終的に塙ドライバーは8ポジションアップの14位、岡田選手は2ポジションアップの13位と2台連なってチェッカーとなりました🏁
あと少しでポイント圏内だったので悔しさもありますが、マシンもタイヤも新しく、台数の多い富士での開幕戦としては、大きなトラブル等なく無事にチェッカーとなりました。
今回のデータを活かしてまた次戦に活かしてがんばります!
富士でスーパーフォーミュラに出場していた坪井選手からアドバイス😆
スーパー耐久でレースクィーンを務める美仲香波さんが応援に来てくれました

【レポート】スーパー耐久 第3戦 スポーツランドSUGO
2022.08.04
COROLLA SHIN-IBARAKI CSI Racing
ENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook
第3戦「SUGOスーパー耐久3時間レース」
7月9〜10日 スポーツランドSUGO
予選:ウェット
決勝:ドライ/ウェット
クラス:ST-Z
ゼッケン:310
エントリー数:トータル50台/ST-Zクラス 8台
ついに引き出せた、スープラの本当の速さ! SUGOで今季まず1勝を挙げる
スーパー耐久シリーズで4シーズン目を迎えるCOROLLA SHIN-IBARAKI CSI Racingは、今年新たにGT4車両によって競われるST-Zクラスに勢力を集中し、トヨタGRスープラGT4を走らせることとなった。
「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」をドライブするのは、山崎学と坪井翔、野中誠太、そしてチームの司令塔も新たに兼ねることとなった細川慎弥の4人。なお、シリーズは従来より1戦増となる全7戦での開催が予定され、ランキングは上位6戦の有効ポイント制度が採用される。
第3戦はスポーツランドSUGOを舞台とし、今年初めて2グループ開催とされ、それぞれ決勝レースは3時間で競われる。前回の24時間レースに比べれば遥かに短く、またコース上にいる台数もほぼ半分とされるため、スプリントさながらの展開となることが、大いに予想された。
公式予選
前回の富士24時間は、「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」にとって、まさに波瀾万丈のレースだった。クラス3番手からスタートを切り、順調な滑り出しを見せていたが、わずか4時間でリペアエリアに送り込まれ、早々に優勝戦戦から脱落。その後も粘り強く走り続けるも、トラブルが相次いで6位で完走を果たすのが精いっぱいだったからだ。
そこで1か月あまりのインターバルの間に、マシンは徹底的に見直されて、しっかり対策を施されたからには、もはや逆襲あるのみ! ウエイトハンデもトップが40kg積む中、まだ15kgであることから可能性は十分あるはずだ。
走行は木曜日から開始され、雨が降ったりやんだりを繰り返す、微妙なコンディションではあったが、その一方でドライだけでなく、ウェットのセッティングも詰められたのは、流れとしては悪くなかったはず。計測が行われる金曜日は、早朝こそ路面に水を残したものの、グループ1が走る頃には完全にドライコンディションとなっていた。
午前中のセッションでは野中が1分30秒160を記録して5番手だったものの、その後セットがさらに詰められると、午後のセッションでは坪井が1分28秒289にまで短縮を果たし、一躍トップに立って確かな手応えを得られるまでとなっていた。
ところが、予選の行われる土曜日は、早朝からあいにくの雨模様。午前に行われたフリー走行は、終始ウェットコンディションでの走行となった。ここでは野中が、スープラ勢最速となる1分38秒961を記録する。その雨も、午後の予選までにはやんで、いよいよドライコンディションでの走行になるかと思われたのだが……。
なんとAドライバー予選が始まって間もなく、雨が降り始めてしまう。それでもしばらくはドライタイヤでもタイムが出る状況だったのだが、山崎はアタックのタイミングを見誤ってしまう。実際には計測2周目には1分31秒493を記録して4番手にはつけていたが、マシンの仕上がりからすれば、トップからコンマ7秒落ちは本来のタイムではない。そこで20分の間に劇的な向上を期待し、山崎は唯一最後まで走り続ける。すると、ラストアタックでセクター1、セクター2で自己ベストを更新。これはひょっとすると……の期待も虚しく、1分32秒004を記すに留まり、4番手のままで走行を終えることに。
この雨が皮肉なことに、すぐやんで坪井が臨むBドライバー予選の頃には、ライン上のみ水が掃けていた。ウォームアップも早々に、コースを激しく攻め立てた坪井は計測2周目に1分27秒915をマークしてトップに立つと、次の周には1分27秒886にまで短縮。ピットに戻ると、また雨が強く降ってきたから、そのタイミングでなければ出せないタイムではあった。
合算タイムではクラス3番手となるも、その後に行われたST-Xクラスは完全に雨に祟られてしまったため、タイムが揃って低迷。下位に沈んだことから、ST-Zクラス勢がポールポジション、グリッド上位を得ることとなり、決勝に「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」は、望外の総合4番手として臨むこととなった。
なお、この後に行われたCドライバー予選では雨はやんで、最後に野中が1分28秒985を記録してトップになるも、気まぐれな雨はDドライバー予選でまたコースをひどく濡らしてしまう。そんな状況において細川は1分45秒147を記すのが精いっぱいだった。
選手コメント
▶山崎学
アタックするタイミングを見失ってしまって、行こうと思ったタイミングでは降っちゃって、もうダメでした。それでも、ちょっとやんでくれればチャンスもあるかもと、コースに最後まで留まって最後の方で「来たかも」と思ったんですが、降っている場所がずれていただけで、どこかは確実に濡れていたのでタイム更新できず、不本意な結果に反省しています。坪井くんはバッチリ出してくれたのに、僕の分を補うには差がありすぎました。僕がちゃんとアタックできていれば、ポールは獲れたと思うので、すごく悔しくて。その分、決勝で頑張ります。
▶坪井翔
僕が走った時は、完全にドライでした。スープラでの予選は、過去2回あんまりうまくいっていなくて、速い走らせ方というか、セットアップも含めてよく分かっていなかったんです。でも今回は練習中からつかみ始めていて、結果、Bドラ予選ではトップで終われたので、僕としてはポジティブな、いい予選だったと思います。
山崎さんも普通にアタックできていれば、全然タイム出たと思うので、たぶん余裕でポール取れたんじゃないでしょうか。でも、それだけ車のポテンシャルが上がってきているのを感じられているので、明日の決勝は勝てるチャンスがあると思っています。
決勝レース
グループ2決勝レースは日曜日の午前に行われ、グループ1決勝レースは14時から。これに先駆け、スタート進行の始まりには10分間のウォームアップも実施された。もはやコンディションは問題なし。むしろ暑いぐらいの状況において、山崎は2周の計測で1分31秒380を記し、2番手につけたことで自信を取り戻したのは明らかだ。
決勝のスタート担当は野中。まずはポジションキープからレースを開始し、後方からあっという間に迫ってきたST-Xクラス勢をスムーズに先行させつつ、2周目には早くも2番手に浮上する。4周目になると、それぞれのクラスが本来あるべきポジションとなり、野中はトップと後続を引き離して争い合うようになる。
絶えずトップの背後につけて周回を重ねる野中ではあるものの、なかなか逆転は許されない。そんな中、S字の先でコース上に止まった車両があり、FCY(フルコースイエロー)が出されるとチームは判断。当初の予定より早く「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」をピットに戻したことでロスを最小限とし、43周目に坪井をコースに送り出す。
一方、トップの車両はそれより6周後。うまくアンダーカットを果たし、坪井は10秒以上のリードを得た上でトップに浮上し、そのまま逃げていく。3時間レースの今回、ジェントルマンドライバーに義務づけられた走行時間は50分。そのギリギリのところをついた78周目に、山崎はラストスティントを託される。
その時点で2番手の車両につけていた差は1分弱。少々詰められても大丈夫などころか、コンスタントな走りを見せる山崎は等間隔を保ったまま周回を重ねていく。相手はプラチナドライバーであるにも関わらず! もちろん難なく逃げ切った「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」は大差をつけて、今季初勝利を挙げることとなった。
ランキングは3位のままながら、トップとの差を一気に詰めることとなり、続いて臨む第4戦は8クラス混走による5時間レースとして、オートポリスで7月30〜31日に開催される。3週間しかインターバルがなく、やや慌ただしくもあるが、今回の緊張感、いいムードは維持できそうだ。引き続きの活躍をご期待いただきたい。
選手コメント
▶山崎学
とりあえず僕は相手のジェントルマンに負けないように、っていうことだったんですが、そんなことを意識して、自分のペースを乱さないぐらいのマージンを作ってくれたのと、本当にいい環境で走らせてもらっているおかげで、自分のペースで走り続けることができました。
結果にこだわっているチームですから、僕も中途半端なことはできないし、ジェントルマンとしての役割を果たさなきゃいけないんですが、プレッシャーをマイナスの方じゃなくて、プラスの力に変えられたのは本当にチームの環境ゆえですし、いいチームで走らせてもらっているんだなと、改めて思いました。
▶坪井翔
ここまでの2戦、いい結果を出せなかったので、スープラの速い走らせ方を見直してきて、今回それが走り出しから、いい方向に行っていたので、晴れてくれれば勝てるチャンスは全然あると思っていました。理想の形でレースが進められて、速さも出てきて結果になったので一安心というか、やっと肩の荷が降りたって感じです。
ただ、チャンピオンシップを考えると、もう一戦も落とせないので、この流れをキープしてオートポリスでも、また勝てるように頑張ります。
▶野中誠太
最初のうちにポールの車の前に出られましたし、抜くのは難しかったんですが、ずっとトップの車には離れずに着いていけて、プレッシャーをかけることができたので、僕としてはベストな展開だったと思います。いい形でバトンをつなげられて、ドライバーひとりひとりもそうですけど、チーム全体として明らかにレベルアップできているので、その実力がこういうふうに結果につながって、ここから先がすごく楽しみなチーム力が身についてきたと思っています。
▶細川慎弥
完璧でしたね、すべてが。山崎選手は特に頑張ってくれました。練習中は速いタイム出せるけど、波もけっこうあったので、それがレースだともったいないので、「その速さを求めつつも、安定して走ることを意識していきましょう」って言っていたんですが、ずっと安定のタイムで走ってくれたので完璧でしたね。
車の違いをコースサイドで見比べて、分かってきた部分もあるし、坪井たちも「車のスピードは負けていないですよ」って、レース始まってもそのとおりだったし。車の作り方、方向性も間違えていないと思うので、前回抱えた不安な気持ちも無くなって、ようやくいいセットできたかなという感じです。あと4戦、もっと楽しみになってきました。
文:秦直之
PHOTO:服部真哉、中村浩史

秋の走行会2022!開催😎
2022.07.20
GRGarage水戸インターの走行会を今年も開催致します✨
【日にち】2022年10月19日(水)
【場 所】つくばサーキット コース1000
【募集台数】60台 予定
【参加費】16,000円(昼食込み)
【参加受付方法】
店頭または電話 TEL. 029-257-2233
【走行会の主な内容】(予定)
お客様のお車でのサーキット走行
プロドライバー運転による同乗走行(S耐使用86、試乗車90スープラ、GR86予定)
その他GR車両の試乗 など
同乗走行は走行会にエントリーしていなくてもご参加いただけます。
(別途料金がかかります)
皆様のご参加お待ちしております😆
※今後のコロナウイルス感染症の状況によっては延期または中止となる場合がございます。

【レポート】スーパー耐久 第2戦 富士24時間レース
2022.06.15
COROLLA SHIN-IBARAKI CSI Racing
ENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook
第2戦「NAPAC富士SUPER TEC 24時間レース」
6月3〜5日 富士スピードウェイ
予選:ドライ
決勝:ドライ
クラス:ST-Z
ゼッケン:310
エントリー数:トータル56台/ST-Zクラス 7台
トラブルが相次いだ富士24時間、諦めることなく走り抜いて6位入賞果たす。
COROLLA SHIN-IBARAKI CSI Racingは、4シーズン目のスーパー耐久シリーズに臨むにあたり、体制を一部刷新。昨年の2台体制から1台体制に戻し、ST-ZクラスでトヨタGRスープラGT4を走らせることとなった。
「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」をドライブするのは、山崎学と坪井翔、野中誠太、そして細川慎弥の4人。なお、シリーズは1戦増となる全7戦での開催が予定され、ランキングは上位6戦の有効ポイント制度が採用される。
第2戦は富士スピードウェイを舞台に、シリ―ズ最大の山場となる「富士24時間」として開催され、最大6人のドライバー登録が可能であることから、眞田拓海と坂本祐也の2名が追加されている。
グリッドでの集合写真
リペアエリアでの修復作業
なんとかチェッカーを駆け抜けました
公式予選
梅雨入り前の穏やかな天候に恵まれた、富士スピードウェイは木曜日から専有走行を開始。午前、午後、そして19時からの夜間走行と3セッションを行い、「GR Garage水戸インターGR Supra GT4」は2番手となる1分48秒988を坪井がマーク。高まった士気の中で予選を迎えることとなった。
Aドライバー予選に挑んだ山崎は、計測2周目からアタックを開始し、さっそく1分50秒216をマークして、その時点でのトップに躍り出る。その後、2番手に退くも2分50秒台を連発した後、1分50秒163にまで短縮を果たす。しかし、これは走路外走行のため、タイムは採択されなかったものの、最初のタイムで2番手に留められて一安心。
続いてBドライバー予選に挑んだ坪井もまた、アタックは計測2周目から。ただ、より完璧なクリアラップを取るため、他のドライバーとややタイミングをずらしてコースインした。すると、いきなり1分47秒915を出し、レースウィークのベストタイムとするが、ライバルの動向を見る限り、もう少し縮めておきたいところ。だが、続けて2周の走行ではタイムアップならず。トップからコンマ6秒の遅れでしかないのだが、坪井は4番手に留まってしまう。
それでも山崎とのタイム合算では3番手に。総合でも12番手の好ポジションから、「GR Garage水戸インターGR Supra GT4」は決勝に臨むこととなった。
この後のCドライバーセッションの最中に通り雨がコースを濡らし、計測は一時中断。再開後の濡れた路面で野中が2分0秒896、以降のセッションでは徐々に乾いていき、細川が1分51秒379、眞田が1分50秒265、坂本が1分49秒704で、それぞれ基準タイムをしっかりクリアしていた。
選手コメント
▶山崎学
僕のタイムが四脱で採択されなかったんですけど、それでも合算では3番手だったようですね。実は昨日、あんまり走行できなかったんですが、それでも夜に走れた感じでは、もうちょっと行けたかなという気がします。まぁ、まだ運転を一生懸命勉強中ですし……。とはいえ、レースは長いので、もちろん前からスタートできるのが理想ですけど、今は決勝見据えて着実に行きたいな、っていうところに切り替えているところなんです。
▶坪井翔
鈴鹿でもそうだったんですが、スープラに対するBoPがきつくて、鈴鹿でさえきつかったのに、今回富士に来てさらにきつくされたので、正直、予選は厳しいだろうと思っていました。ただ、スープラ同士の比較では僅差なので、そこがスープラの限界値なのかも……。24時間レースではポールが獲れなければ、2位でも3位でも関係ないので、ポールの2点が欲しかったところではありますが。24時間レースは壊れない、ミスらない、当たらない(苦笑)が、一番大事なので、着実に行ければ! 決勝のペースは鈴鹿の感触だと戦えそうな雰囲気はあったので、本当にアクシデントに巻き込まれず、淡々と行けば勝てると思っています。
決勝レース
決勝レースのスタートは15時だが、土曜日の午前にウォームアップが行われ、野中が最初に「GR Garage水戸インターGR Supra GT4」をドライブすることとなった。まずはタイヤのスクラブが繰り返し行われ、それが完了した後、1分49秒558をマーク。続いて乗り込んだ細川が1分50秒台をコンスタントに記し、最後の1周は坪井が走行。一発をしっかり決めて1分49秒536を叩き出してトップとなり、決勝に向けて大いに勢いをつけることとなった。
今回、スタートを担当したのは細川。長丁場の一戦とあって1コーナーでの先陣争いはせず、ひとつポジションを落とし、さらに3周目にも5番手となるも、あくまで着実に行こうとのポリシーの下、周回が進められていく。最初のピットストップは、1時間をわずかに経過した36周目。ここで坪井に交代。タイミングの違いもあって、やがて2番手に躍り出る。69周目、2回目のピットでは坪井は降りず、2スティント連続での走行となった。
113周目にようやく野中と代わるも、気になるのはいずれもピットに戻ってくる直前に、ダンロップコーナーでコースアウトしていたこと。実は「2回ともタイヤがパンクしていました」と坪井。絶妙のコントロールで、なんとか立て直していた格好ながら、何か不穏なムードが漂うようになっていた。そんな予感が的中する。間もなくピットインというタイミングの139周目、GRスープラコーナーで突然右リヤのタイヤが脱落、野中はコースアウト! 低速コーナーだったのは不幸中の幸いだった。まだレースは始まってから4時間を経過しただけなのに、マシンはリペアエリアに送り込まれてしまう……。
復帰には3時間以上も要してしまったため、これで勝負権は完全に逸したものの、完走すれば少なからずポイントが獲得できる。それだけを目的として、残り16時間を駆け抜けていくこととなった。Wスティントとなった山崎は、190周目になって坂本に交代。214周目にピットに戻ってきたが、なかなかコースに戻ることができない。電光ゼッケンが光っていないという、オフィシャルからの指示により、またもや1時間近く修復を余儀なくされたのだ。
再復帰後は、坪井〜野中〜山崎〜坪井〜野中〜山崎という順番でバトンはつながれた。ゴールまで残り7時間というところで、すでに1台がリタイアしていたことで6位は確定、逆に言えばもう下がることはないだけに、この間ピットストップのたびセットには、さまざまなことが試されていた。なおかつ、淡々と周回が重ねられているかに見えたのだが……。実際には「振動が出まくっているので、原因を探るため、いろいろやっているところです」と細川。ゴールまで3時間を切ったところで、また長い作業の時が過ぎていく。
最後に「GR Garage水戸インターGR Supra GT4」に乗り込んだのは細川だ。しかし、チェッカーを受けるためでなく、マシンの状態を最終確認するためだった。最終的に556周を走って、6位を獲得することに。ここで得た13ポイントが後に大きな影響を及ぼすことを望みたい。
第3戦はスポーツランドSUGOで7月9〜10日に開催される。ここまでの2戦は全クラス混走だったが、今年初めて2グループに分けられて3時間で競われるだけに、よりスピードが重視される戦いになりそうだ。富士24時間とはまったく対照的な展開になるだろうが、リベンジにも大いに期待がかかる。
選手コメント
▶山崎学
もうちょっと、なんか“レース”したかったというのがありましたね。序盤から脱落しちゃったから、いつもよりも長く感じる24時間でした。経験的には距離稼げて良かったと思うんですけど、その次に向けて、まだ糸口が見つかっていないんで、ちょっと根本的なものを解決しないと、レースにならないなというのが正直なところで。まだモヤモヤっとしたままでいます。
次もタイヤに負担がかかるSUGOなので、同じようなことにならないようにチームと話し合って、しっかり対策をしていきたいですね。チームには本当に優秀な方が多いので、僕は大丈夫だと思っているんですけど、それでも確証がないと心配なんで、早く自分の走りでも大丈夫っていうのを確認したいです。
▶坪井翔
トラブルばっかりはどうしようもないですけど、けっこう壊れて3〜4時間ぐらいかかっちゃいましたね、直すのに。そんな中でも最後まで走り切れたのは良かったです。ただ、24時間走ってみてトラブル以外のところ、ペース的にものすごく速かったわけじゃないし、バランスも悪くて、『もうちょっとここをああしたい、こうしたい』っていうのがあったので、車の方をもうちょっと煮詰めていかないと。
今週末はトラブル続きで、流れが悪かったんですけど、次戦に向けて今回は途中からレースは勝負権なくなったので、テストという意味でいろいろ試したりして、そういうところで見えてきたところもあったので、次戦に活かしたいと思います。
▶野中誠太
今回は3スティント乗りました。最初はタイヤ取れた時、僕乗っていたので(苦笑)。GRスープラコーナーの立ち上がりで、突然でした。そこを堪えてストレートとか行っていたら危なかったので、そこは良かったですけど……。あの時点で勝負権が完璧に失われちゃったので、つらいレースになってしまいました。
▶細川慎弥
最後までトラブルは完治しませんでした。どうも原因は違うところにありそうなので、次のSUGOの前に、チームにはテストの機会を作ってもらって、原因をしっかり探らないと。富士だから出た問題なのかもしれないですけど、そうとも思えないので、原因をまずは突き止めたいですね。
最後はもう、順位は関係ないし、最後はテスト的な項目をやりたいって話をして、『じゃあ自分が乗っていくわ』って。合計は大丈夫だったので自分が乗りました。あとはみんなに頑張ってもらうしかないです!
▶坂本祐也
あんまりお役に立てなくて残念です、トラブルもあり乗る時間がほとんどなかったです。ずっと待っていたんですが、「ごめん、翔くんに代わります。」と。僕の役目は20周で終わりました。でも、なんかいいメンバーでしたので、楽しめました!
▶眞田拓海
僕は乗りませんでしたけど、本当に勉強になることばっかりで、レースの見方だったり、セッティングの方向を決めたりするところとか。GTドライバーとか、チャンピオンの方ばっかりなので、自分の経験の少ない中で、こういうチームに関われるのは嬉しいことでした。今回はこういう結果で残念ではありますけど、自分にとってだけ言うと、すごく収穫のあったレースウィークだったと思うので、今後のレースキャリアに活かしていきたいと思っています。
山崎学選手
山崎学選手
坪井翔選手
坪井翔選手
野中誠太選手
野中誠太選手
細川慎弥選手
スタートを担当した細川選手
坂本祐也選手
坂本祐也選手
眞田拓海選手
(左)美仲香波さん (右)神崎蓮さん
社員メカニック 岡田スタッフ
社員メカニック 長谷川スタッフ
社員メカニック 鈴木スタッフ
(一番左)社員メカニック 根岸スタッフ
社員メカニック 塙スタッフ
社員メカニック 山田スタッフ
今年入社の社員サービスエンジニアスタッフ
文:秦直之
PHOTO:服部真哉、中村浩史

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