【レポート】スーパー耐久 第3戦 スポーツランドSUGO
2022.08.04
COROLLA SHIN-IBARAKI CSI Racing
ENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook
第3戦「SUGOスーパー耐久3時間レース」
7月9〜10日 スポーツランドSUGO
予選:ウェット
決勝:ドライ/ウェット
クラス:ST-Z
ゼッケン:310
エントリー数:トータル50台/ST-Zクラス 8台
ついに引き出せた、スープラの本当の速さ! SUGOで今季まず1勝を挙げる
スーパー耐久シリーズで4シーズン目を迎えるCOROLLA SHIN-IBARAKI CSI Racingは、今年新たにGT4車両によって競われるST-Zクラスに勢力を集中し、トヨタGRスープラGT4を走らせることとなった。
「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」をドライブするのは、山崎学と坪井翔、野中誠太、そしてチームの司令塔も新たに兼ねることとなった細川慎弥の4人。なお、シリーズは従来より1戦増となる全7戦での開催が予定され、ランキングは上位6戦の有効ポイント制度が採用される。
第3戦はスポーツランドSUGOを舞台とし、今年初めて2グループ開催とされ、それぞれ決勝レースは3時間で競われる。前回の24時間レースに比べれば遥かに短く、またコース上にいる台数もほぼ半分とされるため、スプリントさながらの展開となることが、大いに予想された。



公式予選
前回の富士24時間は、「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」にとって、まさに波瀾万丈のレースだった。クラス3番手からスタートを切り、順調な滑り出しを見せていたが、わずか4時間でリペアエリアに送り込まれ、早々に優勝戦戦から脱落。その後も粘り強く走り続けるも、トラブルが相次いで6位で完走を果たすのが精いっぱいだったからだ。
そこで1か月あまりのインターバルの間に、マシンは徹底的に見直されて、しっかり対策を施されたからには、もはや逆襲あるのみ! ウエイトハンデもトップが40kg積む中、まだ15kgであることから可能性は十分あるはずだ。
走行は木曜日から開始され、雨が降ったりやんだりを繰り返す、微妙なコンディションではあったが、その一方でドライだけでなく、ウェットのセッティングも詰められたのは、流れとしては悪くなかったはず。計測が行われる金曜日は、早朝こそ路面に水を残したものの、グループ1が走る頃には完全にドライコンディションとなっていた。
午前中のセッションでは野中が1分30秒160を記録して5番手だったものの、その後セットがさらに詰められると、午後のセッションでは坪井が1分28秒289にまで短縮を果たし、一躍トップに立って確かな手応えを得られるまでとなっていた。
ところが、予選の行われる土曜日は、早朝からあいにくの雨模様。午前に行われたフリー走行は、終始ウェットコンディションでの走行となった。ここでは野中が、スープラ勢最速となる1分38秒961を記録する。その雨も、午後の予選までにはやんで、いよいよドライコンディションでの走行になるかと思われたのだが……。
なんとAドライバー予選が始まって間もなく、雨が降り始めてしまう。それでもしばらくはドライタイヤでもタイムが出る状況だったのだが、山崎はアタックのタイミングを見誤ってしまう。実際には計測2周目には1分31秒493を記録して4番手にはつけていたが、マシンの仕上がりからすれば、トップからコンマ7秒落ちは本来のタイムではない。そこで20分の間に劇的な向上を期待し、山崎は唯一最後まで走り続ける。すると、ラストアタックでセクター1、セクター2で自己ベストを更新。これはひょっとすると……の期待も虚しく、1分32秒004を記すに留まり、4番手のままで走行を終えることに。
この雨が皮肉なことに、すぐやんで坪井が臨むBドライバー予選の頃には、ライン上のみ水が掃けていた。ウォームアップも早々に、コースを激しく攻め立てた坪井は計測2周目に1分27秒915をマークしてトップに立つと、次の周には1分27秒886にまで短縮。ピットに戻ると、また雨が強く降ってきたから、そのタイミングでなければ出せないタイムではあった。
合算タイムではクラス3番手となるも、その後に行われたST-Xクラスは完全に雨に祟られてしまったため、タイムが揃って低迷。下位に沈んだことから、ST-Zクラス勢がポールポジション、グリッド上位を得ることとなり、決勝に「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」は、望外の総合4番手として臨むこととなった。
なお、この後に行われたCドライバー予選では雨はやんで、最後に野中が1分28秒985を記録してトップになるも、気まぐれな雨はDドライバー予選でまたコースをひどく濡らしてしまう。そんな状況において細川は1分45秒147を記すのが精いっぱいだった。
選手コメント
▶山崎学
アタックするタイミングを見失ってしまって、行こうと思ったタイミングでは降っちゃって、もうダメでした。それでも、ちょっとやんでくれればチャンスもあるかもと、コースに最後まで留まって最後の方で「来たかも」と思ったんですが、降っている場所がずれていただけで、どこかは確実に濡れていたのでタイム更新できず、不本意な結果に反省しています。坪井くんはバッチリ出してくれたのに、僕の分を補うには差がありすぎました。僕がちゃんとアタックできていれば、ポールは獲れたと思うので、すごく悔しくて。その分、決勝で頑張ります。
▶坪井翔
僕が走った時は、完全にドライでした。スープラでの予選は、過去2回あんまりうまくいっていなくて、速い走らせ方というか、セットアップも含めてよく分かっていなかったんです。でも今回は練習中からつかみ始めていて、結果、Bドラ予選ではトップで終われたので、僕としてはポジティブな、いい予選だったと思います。
山崎さんも普通にアタックできていれば、全然タイム出たと思うので、たぶん余裕でポール取れたんじゃないでしょうか。でも、それだけ車のポテンシャルが上がってきているのを感じられているので、明日の決勝は勝てるチャンスがあると思っています。
決勝レース
グループ2決勝レースは日曜日の午前に行われ、グループ1決勝レースは14時から。これに先駆け、スタート進行の始まりには10分間のウォームアップも実施された。もはやコンディションは問題なし。むしろ暑いぐらいの状況において、山崎は2周の計測で1分31秒380を記し、2番手につけたことで自信を取り戻したのは明らかだ。
決勝のスタート担当は野中。まずはポジションキープからレースを開始し、後方からあっという間に迫ってきたST-Xクラス勢をスムーズに先行させつつ、2周目には早くも2番手に浮上する。4周目になると、それぞれのクラスが本来あるべきポジションとなり、野中はトップと後続を引き離して争い合うようになる。
絶えずトップの背後につけて周回を重ねる野中ではあるものの、なかなか逆転は許されない。そんな中、S字の先でコース上に止まった車両があり、FCY(フルコースイエロー)が出されるとチームは判断。当初の予定より早く「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」をピットに戻したことでロスを最小限とし、43周目に坪井をコースに送り出す。
一方、トップの車両はそれより6周後。うまくアンダーカットを果たし、坪井は10秒以上のリードを得た上でトップに浮上し、そのまま逃げていく。3時間レースの今回、ジェントルマンドライバーに義務づけられた走行時間は50分。そのギリギリのところをついた78周目に、山崎はラストスティントを託される。
その時点で2番手の車両につけていた差は1分弱。少々詰められても大丈夫などころか、コンスタントな走りを見せる山崎は等間隔を保ったまま周回を重ねていく。相手はプラチナドライバーであるにも関わらず! もちろん難なく逃げ切った「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」は大差をつけて、今季初勝利を挙げることとなった。
ランキングは3位のままながら、トップとの差を一気に詰めることとなり、続いて臨む第4戦は8クラス混走による5時間レースとして、オートポリスで7月30〜31日に開催される。3週間しかインターバルがなく、やや慌ただしくもあるが、今回の緊張感、いいムードは維持できそうだ。引き続きの活躍をご期待いただきたい。
選手コメント
▶山崎学
とりあえず僕は相手のジェントルマンに負けないように、っていうことだったんですが、そんなことを意識して、自分のペースを乱さないぐらいのマージンを作ってくれたのと、本当にいい環境で走らせてもらっているおかげで、自分のペースで走り続けることができました。
結果にこだわっているチームですから、僕も中途半端なことはできないし、ジェントルマンとしての役割を果たさなきゃいけないんですが、プレッシャーをマイナスの方じゃなくて、プラスの力に変えられたのは本当にチームの環境ゆえですし、いいチームで走らせてもらっているんだなと、改めて思いました。
▶坪井翔
ここまでの2戦、いい結果を出せなかったので、スープラの速い走らせ方を見直してきて、今回それが走り出しから、いい方向に行っていたので、晴れてくれれば勝てるチャンスは全然あると思っていました。理想の形でレースが進められて、速さも出てきて結果になったので一安心というか、やっと肩の荷が降りたって感じです。
ただ、チャンピオンシップを考えると、もう一戦も落とせないので、この流れをキープしてオートポリスでも、また勝てるように頑張ります。
▶野中誠太
最初のうちにポールの車の前に出られましたし、抜くのは難しかったんですが、ずっとトップの車には離れずに着いていけて、プレッシャーをかけることができたので、僕としてはベストな展開だったと思います。いい形でバトンをつなげられて、ドライバーひとりひとりもそうですけど、チーム全体として明らかにレベルアップできているので、その実力がこういうふうに結果につながって、ここから先がすごく楽しみなチーム力が身についてきたと思っています。
▶細川慎弥
完璧でしたね、すべてが。山崎選手は特に頑張ってくれました。練習中は速いタイム出せるけど、波もけっこうあったので、それがレースだともったいないので、「その速さを求めつつも、安定して走ることを意識していきましょう」って言っていたんですが、ずっと安定のタイムで走ってくれたので完璧でしたね。
車の違いをコースサイドで見比べて、分かってきた部分もあるし、坪井たちも「車のスピードは負けていないですよ」って、レース始まってもそのとおりだったし。車の作り方、方向性も間違えていないと思うので、前回抱えた不安な気持ちも無くなって、ようやくいいセットできたかなという感じです。あと4戦、もっと楽しみになってきました。


























文:秦直之
PHOTO:服部真哉、中村浩史
ENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook
第3戦「SUGOスーパー耐久3時間レース」
7月9〜10日 スポーツランドSUGO
予選:ウェット
決勝:ドライ/ウェット
クラス:ST-Z
ゼッケン:310
エントリー数:トータル50台/ST-Zクラス 8台
ついに引き出せた、スープラの本当の速さ! SUGOで今季まず1勝を挙げる
スーパー耐久シリーズで4シーズン目を迎えるCOROLLA SHIN-IBARAKI CSI Racingは、今年新たにGT4車両によって競われるST-Zクラスに勢力を集中し、トヨタGRスープラGT4を走らせることとなった。
「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」をドライブするのは、山崎学と坪井翔、野中誠太、そしてチームの司令塔も新たに兼ねることとなった細川慎弥の4人。なお、シリーズは従来より1戦増となる全7戦での開催が予定され、ランキングは上位6戦の有効ポイント制度が採用される。
第3戦はスポーツランドSUGOを舞台とし、今年初めて2グループ開催とされ、それぞれ決勝レースは3時間で競われる。前回の24時間レースに比べれば遥かに短く、またコース上にいる台数もほぼ半分とされるため、スプリントさながらの展開となることが、大いに予想された。



公式予選
前回の富士24時間は、「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」にとって、まさに波瀾万丈のレースだった。クラス3番手からスタートを切り、順調な滑り出しを見せていたが、わずか4時間でリペアエリアに送り込まれ、早々に優勝戦戦から脱落。その後も粘り強く走り続けるも、トラブルが相次いで6位で完走を果たすのが精いっぱいだったからだ。
そこで1か月あまりのインターバルの間に、マシンは徹底的に見直されて、しっかり対策を施されたからには、もはや逆襲あるのみ! ウエイトハンデもトップが40kg積む中、まだ15kgであることから可能性は十分あるはずだ。
走行は木曜日から開始され、雨が降ったりやんだりを繰り返す、微妙なコンディションではあったが、その一方でドライだけでなく、ウェットのセッティングも詰められたのは、流れとしては悪くなかったはず。計測が行われる金曜日は、早朝こそ路面に水を残したものの、グループ1が走る頃には完全にドライコンディションとなっていた。
午前中のセッションでは野中が1分30秒160を記録して5番手だったものの、その後セットがさらに詰められると、午後のセッションでは坪井が1分28秒289にまで短縮を果たし、一躍トップに立って確かな手応えを得られるまでとなっていた。
ところが、予選の行われる土曜日は、早朝からあいにくの雨模様。午前に行われたフリー走行は、終始ウェットコンディションでの走行となった。ここでは野中が、スープラ勢最速となる1分38秒961を記録する。その雨も、午後の予選までにはやんで、いよいよドライコンディションでの走行になるかと思われたのだが……。
なんとAドライバー予選が始まって間もなく、雨が降り始めてしまう。それでもしばらくはドライタイヤでもタイムが出る状況だったのだが、山崎はアタックのタイミングを見誤ってしまう。実際には計測2周目には1分31秒493を記録して4番手にはつけていたが、マシンの仕上がりからすれば、トップからコンマ7秒落ちは本来のタイムではない。そこで20分の間に劇的な向上を期待し、山崎は唯一最後まで走り続ける。すると、ラストアタックでセクター1、セクター2で自己ベストを更新。これはひょっとすると……の期待も虚しく、1分32秒004を記すに留まり、4番手のままで走行を終えることに。
この雨が皮肉なことに、すぐやんで坪井が臨むBドライバー予選の頃には、ライン上のみ水が掃けていた。ウォームアップも早々に、コースを激しく攻め立てた坪井は計測2周目に1分27秒915をマークしてトップに立つと、次の周には1分27秒886にまで短縮。ピットに戻ると、また雨が強く降ってきたから、そのタイミングでなければ出せないタイムではあった。
合算タイムではクラス3番手となるも、その後に行われたST-Xクラスは完全に雨に祟られてしまったため、タイムが揃って低迷。下位に沈んだことから、ST-Zクラス勢がポールポジション、グリッド上位を得ることとなり、決勝に「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」は、望外の総合4番手として臨むこととなった。
なお、この後に行われたCドライバー予選では雨はやんで、最後に野中が1分28秒985を記録してトップになるも、気まぐれな雨はDドライバー予選でまたコースをひどく濡らしてしまう。そんな状況において細川は1分45秒147を記すのが精いっぱいだった。
選手コメント
▶山崎学
アタックするタイミングを見失ってしまって、行こうと思ったタイミングでは降っちゃって、もうダメでした。それでも、ちょっとやんでくれればチャンスもあるかもと、コースに最後まで留まって最後の方で「来たかも」と思ったんですが、降っている場所がずれていただけで、どこかは確実に濡れていたのでタイム更新できず、不本意な結果に反省しています。坪井くんはバッチリ出してくれたのに、僕の分を補うには差がありすぎました。僕がちゃんとアタックできていれば、ポールは獲れたと思うので、すごく悔しくて。その分、決勝で頑張ります。
▶坪井翔
僕が走った時は、完全にドライでした。スープラでの予選は、過去2回あんまりうまくいっていなくて、速い走らせ方というか、セットアップも含めてよく分かっていなかったんです。でも今回は練習中からつかみ始めていて、結果、Bドラ予選ではトップで終われたので、僕としてはポジティブな、いい予選だったと思います。
山崎さんも普通にアタックできていれば、全然タイム出たと思うので、たぶん余裕でポール取れたんじゃないでしょうか。でも、それだけ車のポテンシャルが上がってきているのを感じられているので、明日の決勝は勝てるチャンスがあると思っています。
決勝レース
グループ2決勝レースは日曜日の午前に行われ、グループ1決勝レースは14時から。これに先駆け、スタート進行の始まりには10分間のウォームアップも実施された。もはやコンディションは問題なし。むしろ暑いぐらいの状況において、山崎は2周の計測で1分31秒380を記し、2番手につけたことで自信を取り戻したのは明らかだ。
決勝のスタート担当は野中。まずはポジションキープからレースを開始し、後方からあっという間に迫ってきたST-Xクラス勢をスムーズに先行させつつ、2周目には早くも2番手に浮上する。4周目になると、それぞれのクラスが本来あるべきポジションとなり、野中はトップと後続を引き離して争い合うようになる。
絶えずトップの背後につけて周回を重ねる野中ではあるものの、なかなか逆転は許されない。そんな中、S字の先でコース上に止まった車両があり、FCY(フルコースイエロー)が出されるとチームは判断。当初の予定より早く「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」をピットに戻したことでロスを最小限とし、43周目に坪井をコースに送り出す。
一方、トップの車両はそれより6周後。うまくアンダーカットを果たし、坪井は10秒以上のリードを得た上でトップに浮上し、そのまま逃げていく。3時間レースの今回、ジェントルマンドライバーに義務づけられた走行時間は50分。そのギリギリのところをついた78周目に、山崎はラストスティントを託される。
その時点で2番手の車両につけていた差は1分弱。少々詰められても大丈夫などころか、コンスタントな走りを見せる山崎は等間隔を保ったまま周回を重ねていく。相手はプラチナドライバーであるにも関わらず! もちろん難なく逃げ切った「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」は大差をつけて、今季初勝利を挙げることとなった。
ランキングは3位のままながら、トップとの差を一気に詰めることとなり、続いて臨む第4戦は8クラス混走による5時間レースとして、オートポリスで7月30〜31日に開催される。3週間しかインターバルがなく、やや慌ただしくもあるが、今回の緊張感、いいムードは維持できそうだ。引き続きの活躍をご期待いただきたい。
選手コメント
▶山崎学
とりあえず僕は相手のジェントルマンに負けないように、っていうことだったんですが、そんなことを意識して、自分のペースを乱さないぐらいのマージンを作ってくれたのと、本当にいい環境で走らせてもらっているおかげで、自分のペースで走り続けることができました。
結果にこだわっているチームですから、僕も中途半端なことはできないし、ジェントルマンとしての役割を果たさなきゃいけないんですが、プレッシャーをマイナスの方じゃなくて、プラスの力に変えられたのは本当にチームの環境ゆえですし、いいチームで走らせてもらっているんだなと、改めて思いました。
▶坪井翔
ここまでの2戦、いい結果を出せなかったので、スープラの速い走らせ方を見直してきて、今回それが走り出しから、いい方向に行っていたので、晴れてくれれば勝てるチャンスは全然あると思っていました。理想の形でレースが進められて、速さも出てきて結果になったので一安心というか、やっと肩の荷が降りたって感じです。
ただ、チャンピオンシップを考えると、もう一戦も落とせないので、この流れをキープしてオートポリスでも、また勝てるように頑張ります。
▶野中誠太
最初のうちにポールの車の前に出られましたし、抜くのは難しかったんですが、ずっとトップの車には離れずに着いていけて、プレッシャーをかけることができたので、僕としてはベストな展開だったと思います。いい形でバトンをつなげられて、ドライバーひとりひとりもそうですけど、チーム全体として明らかにレベルアップできているので、その実力がこういうふうに結果につながって、ここから先がすごく楽しみなチーム力が身についてきたと思っています。
▶細川慎弥
完璧でしたね、すべてが。山崎選手は特に頑張ってくれました。練習中は速いタイム出せるけど、波もけっこうあったので、それがレースだともったいないので、「その速さを求めつつも、安定して走ることを意識していきましょう」って言っていたんですが、ずっと安定のタイムで走ってくれたので完璧でしたね。
車の違いをコースサイドで見比べて、分かってきた部分もあるし、坪井たちも「車のスピードは負けていないですよ」って、レース始まってもそのとおりだったし。車の作り方、方向性も間違えていないと思うので、前回抱えた不安な気持ちも無くなって、ようやくいいセットできたかなという感じです。あと4戦、もっと楽しみになってきました。


























文:秦直之
PHOTO:服部真哉、中村浩史