【レポート】スーパー耐久 オートポリス5時間レース ポールトゥウィン!
2020.12.18
12月という異例の時期の開催ながら、今季3度目のポールトゥウィン!
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PIRELLIスーパー耐久シリーズ2020第5戦
TKUスーパー耐久レースinオートポリス
12月12〜13日 オートポリス
復活宣言、そして王手かける! オートポリスで今季3勝目をマーク
スーパー耐久シリーズに参戦するC.S.I Racingは、今シーズンもAドライバーに久保凜太郎を、Bドライバーに細川慎弥を引き続き起用。さらにCドライバーとして坪井翔を新たに加え、「GR Garage水戸インターGR 86」で2シーズン目のST-4クラスに挑む。
当初の予定では8月に行われるはずだったオートポリスのスーパー耐久ながら、コロナ禍の影響で大幅にスケジュールが改められ、真夏のレースは一転、真冬のレースとなった。当然、寒い時期のレースはどのチームも経験しておらず、その意味ではハンディの少ない戦いとなることが予想された。
前回のもてぎは、チームにとってホームコースでの戦いであり、また昨年初優勝を飾っているだけに、大活躍が期待されたものの、現実はそう甘くなかった。予選で今年初めてポールポジションを逸したばかりか、決勝では接触があり、これが危険行為と判定されてしまったため、ドライビングスルーペナルティを課せられてもいた。
そんな厳しい状況にも関わらず、3位でのゴールを果たしたことにより、ランキングのトップはわずか6ポイント差ながらもキープ。今回でチャンピオンを決めるのは極めて難しそうだが、せめてマージンを増やして年明けの最終戦に挑めるようにしたいところだ。
公式予選
多くのドライバー、チームに走る機会の少ないコースとあって、今回は木曜日から専有走行が設けられ、木曜日と金曜日の午前のセッションは「GR Garage水戸インターGR86」がトップ。金曜日午後のセッションこそトップを譲ったものの、午前のセッションに久保が2分3秒337を記してST-4クラスの最速タイムを記しており、まさに滑り出しは上々だ。クルマは前回のもてぎでの反省を踏まえ、一から見直された効果がさっそく発揮されていた。
土曜日のFCY訓練と併せて行われるフリー走行は、あえてスキップ。続いて行われたAドライバー予選が、この日最初の走行に。天気には恵まれたが、気温、路面温度は10度を切るほど低かったことから、久保はウォーミングアップを入念に行い、計測3周目からのアタックを敢行する。このタイミングは専有走行で確認済とあって、自信を持ってアタックした久保は1アタックをしっかり決めて2分2秒432をマーク! 2番手にコンマ5秒の差をつけることとなった。
Bドライバー予選において、細川は2分3秒358を記録して2番手に。しかし、トップとの差をコンマ3秒に抑えたことにより、合算タイムによって「GR Garage水戸インターGR86」は、今季4回目のポールポジションを獲得することとなった。続いて行われたCドライバー予選では、決勝に向けた最終チェックを坪井が行い、ユーズドタイヤでの走行にも関わらず2分4秒862を記してトップ。どうやら開幕2戦のムードを完全に取り戻したようだ。
久保凜太郎
今週は走り初めからけっこう調子良くて、「まわりに対するアドバンテージもあるなぁ」と感じていました。昨日、ニュータイヤを履いた感じでは、アタックが1周早かったので、それをもとにタイミングをしっかり合わせて、アタックして決めました。
前回のもてぎで、ちょっとチームに気の緩みじゃないけど、ある意味慣れみたいな部分があったと思うんですよ。なので、そこをもう一回引き締めたのと、ホームのもてぎなのに、つらいレースをしちゃったので、クルマの悪いところをみんなで話し合って、換えなきゃいけないところはしっかり換えて、準備してきました。それが良くて、富士とかSUGOの時のようなクルマの強さが、もう一回戻ってきたかな、という感じでしたね。
細川慎弥
昨日の流れからすると、僕のアタックは、自分の感覚で言うと、「あれ?」って感じで、今ロガーで見たら腑に落ちないドライビングの部分もあるのですが、それはあんまり深く考えないようにしています、逆に。
凛太郎が完璧なアタックで、すごいタイムを出していたので、あとは決勝、今回も5時間で長いので、去年は決勝をトラブルでリタイアしているし、ドライバー側で接触とかそういうのも、最近は多いから取りこぼしなく、ここはしっかり上位でゴールするというのに切り替えていこうと思います。地元のレースであるけど、コロナで誰も来られないし、あんまり力を入れずにやろうと思っています。
決勝レース
12月にオートポリスで耐久レースが行われるのは、スーパー耐久に限らず前例のないこととあって、決勝レースのフォーメイションラップは通常より2周多く行われた後に、スタートが切られることとなった。その間、もちろんスタートを担当する久保はウェービングを行い、タイヤやブレーキへの熱入れは抜かりなし。グリーンシグナルの点灯後、1コーナーで2番手の車両にアウトから迫られるも、しっかりガードを固めて逆転を許さなかった「GR Garage水戸インターGR86」は、そのまま首位で周回を重ねていく。
2番手の車両が5周早く、しかもタイヤ無交換で最初のピット作業を行ったため、36周目に交代した坪井は、いったんトップを奪われたものの、わずか3周でトップ奪還に成功。それからは久保と同じように徐々に差を広げて、76周目に細川と交代する。もちろん、そこから細川は終始トップをキープし続けた。
107周目からは再び久保が「GR Garage水戸インターGR86」をドライブ。ピット戦術の違いから、またもトップを明け渡すこととなるが、逃すまいと久保が着実に差を詰めていくと、ライバルももはや勝ち目はないと判断したのか、ラスト20分でジェントルマンドライバーと交代。これで久保がトップに返り咲くとともに、ライバルにはピット作業違反に対し、ドライビングスルーペナルティが課せられたこともあり、最後は1分以上の大差をつけて3勝目をマークすることとなった。
残るは鈴鹿サーキットで、年明けの1月23日(土)に行われる最終戦のみ。3位に入れば、チャンピオン決定となるが、もちろん狙うは勝って決めることだ!
久保凜太郎
ホッとしました〜。でも、今週は走り初めから良かったので、もう走り始めた木曜日の3周目ぐらいに、「あぁ、今週はいけるな」という感じがあったので、持ち込みから良かったのがずっとペースよく走れた勝因かな、と思っています。今週はスピードがあったので、そこを活かした作戦が採れた、って感じですかね。
前回までの反省を踏まえ、「しっかりやり直さなきゃ」というところがあったので、そこはチームみんなでクルマの足りないところは話し合ったし、直してきたところがドンピシャでしたから、そこが富士とかSUGOの時みたいなスピードにつながりました。逆に言えば富士よりも今週は速さという意味では、さらにあったと思うので良かったです。ほぼ王手ですかね、まぁまぁまぁ。驕らず、もう一回見直して行きます!最終戦も応援よろしくお願いします!
細川慎弥
やりましたね! ドライビング的に序盤はちょっと苦しかったんですけど、冷静に、そのあとタイムは状況的に安定して出せたと思うので、良かったです、自分のスティントも。故郷で王手をかけて、ドライバーとして育ったコースでチャンピオンを決められたら、最高のシチュエーションですね。まぁ、最強のふたりがいるので、やりますよ! 焦らず、しっかりと流れを作っていければ、必ず結果は着いてくると思います。応援よろしくお願いします。
坪井翔
前回はまったく速さが足りない中で敗北だったので、チームがリセットしてくれたからには、今回しっかり勝たないと、チャンピオン争い厳しくなると思ったので、もう一回気を引き締めてレースができて、最終的に。練習中から好調で、それをしっかりキープできてトップを譲ることなく優勝できたので、最終戦にかなり王手をかけて行けるので、非常にいいレースでした。最終戦も応援よろしくお願いします!
(文:秦直之)

【86/BRZRace】2020最終戦 ツインリンクもてぎ!
2020.12.02
11月21-22日にツインリンクもてぎにて開催された「86/BRZ Race」
今シーズンは新型コロナウイルスの影響により3戦が中止となったため、このもてぎ大会が最終戦!
前回大会同様に
GRガレージ水戸インター社員ドライバー
#40 志賀俊方(クラブマンエキスパート)
#41 岡田友輔(クラブマンオープン)
レオンキッズレーシング若手ドライバー
#870 塙瞬佑(クラブマンオープン)
でのエントリーです😃!
もてぎ大会はスーパー耐久シリーズと併催の為、スーパー耐久のメカニックも務める、ワンメイクチーム監督の市毛スタッフと岡田ドライバーはバタバタしながらの掛け持ち参戦!!😂
そんな状況の中、#41は練習走行中にミッション不調に見舞われ、岡山大会に続きまたもミッション交換!
みんなで協力しながら作業です😃
迎えた予選。天気は快晴☼
【エキスパートクラス】#40志賀 25番手/30台(幻の12番手。。。😭)
【オープンクラス】#41岡田 8番手/42台 #870塙 15番手/42台(幻の9番手。。)
エキスパートクラス#40志賀は2分20秒098で10番手のタイムを出すも、4脱(走路外走行)判定により25番手にダウン😭
オープンクラス#870塙も2分21秒689で9番手のタイムでしたが、4脱により15番手に。。。😭
実は、プロクラスからオープンクラスまで、予選で4脱するマシンがなんと20台もいるという4脱祭りでした🤪!!
オープンクラスの決勝は予選と同日の土曜日。
10Lapsでの戦いです。
#41岡田 P8→6位チェッカー 見事入賞!!
#870塙 P15→7位チェッカー かなり追い上げました!!
エキスパートクラスの決勝は翌日曜の朝イチ。
日曜日も快晴!!ドライコンディション!
#40志賀 P25→15位チェッカー
周回を重ねる毎にオーバーテイクし、意地を見せました😆
最終戦でスーパー耐久と併催となったツインリンクもてぎ大会。
4脱などもありましたが、3台ともポジションを上げてのチェッカー、大きなトラブルもなくチェッカーを受ける事ができました😎
今シーズン、志賀ドライバーはエキスパートクラスへステップアップしての参戦でしたが、ポイントも獲得!!
2シーズン目の岡田ドライバーは昨年よりもポイントを15も伸ばしました!!
初参戦となった塙ドライバーも見事ポイント獲得!
総じて、チームとしてはそれぞれがステップアップの結果を残してのシーズンとする事ができました✨
今シーズンの3台の応援ありがとうございました!!!

【レポート】スーパー耐久 第4戦もてぎ5時間レース!
2020.12.01
ツインリンクもてぎで行われた第4戦のレポートです😎
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PIRELLIスーパー耐久シリーズ2020第4戦
もてぎスーパー耐久5Hours Race
11月21〜22日 ツインリンクもてぎ
無念の3位も、しっかりランキングトップを死守!
スーパー耐久シリーズに参戦するC.S.I Racingは、今シーズンもAドライバーに久保凜太郎を、Bドライバーに細川慎弥を引き続き起用。さらにCドライバーとして坪井翔を新たに加え、「GR Garage水戸インターGR 86」で2シーズン目のST-4クラスに挑む。
今シーズンは最終戦が2021年の1月に行われる、さながらスーパーシーズンであるだけに、今回ようやく第4戦となり、シーズン後半戦に突入。その舞台、ツインリンクもてぎはホームコースであるばかりか、昨シーズン初優勝を飾った非常に相性も縁起もいいコースだ。
開幕からの連勝は、前回の岡山で序盤に後続車両に追突され、コースアウトによる遅れを取り戻せず「2」でストップしてしまったが、その後も諦めずに走り続けて5位でゴール。その結果、ランキングトップも死守することができた。また、ウエイトハンデは25kgのまま、逆に2位、3位の方が30kgで上回る“マジック”もあるだけに、引き続き活躍が期待できそうだ。なお、今回は久しぶりの全クラス混走、5時間レースとしての開催となる。
公式予選
金曜日の午前にグループ1と2に分けて1時間ずつ、午後に全クラス混走で2時間、専有走行が行われた。しかし、どうにも「GR Garage水戸インターGR86」に、ピリッとした様子がない。午前はトップから1秒4遅れでの2分11秒858を出すに留まり、4番手に。午後は2番手ながら2分12秒869という結果だった。
もちろん、セッションごとセッティングを変更してはいるのだが、なかなかトンネルから抜け出せずにいる状況の中で土曜日に、予選に挑むこととなる。まずAドライバー予選に臨んだ久保は、探りながらの走行で、徐々にタイムを詰めてはいったものの、トップから1秒遅れの2分11秒287で3番手。
Bドライバー予選においても、トップは2分9秒台への突入を果たしたにも関わらず、細川は2分10秒918で4番手。その結果、今季初めてポールポジションを逸したばかりか、「GR Garage水戸インターGR86」は合算タイムで4番手に甘んじてしまう。
だが、この後に行われたCドライバー予選で大幅にマシンのバランスを改めたところ、坪井はユーズドタイヤでの走行だったため、タイムは2分12秒080であったものの、好印象を強く伝えるまでに。ようやく決勝に向けて光明が見えてきた。
久保凜太郎
う〜ん、今週クルマがあんまりパリッとしていなくて、走り出しからいい状態ではなかったんです。そこから抜け出し切れなかったという予選でした。僕もまとめきれていないし、情けない感じになっちゃったかな。ただ、A、Bドライバー予選の後、Cドライバー予選でマシンのバランスをガラッと変えていったら、坪井選手がいいタイムを出してくれたので、そういう意味ではポジティブな状況になっています。「明日は行けるかな?」という感じです
細川慎弥
やれることはやったんですが、今回はまわりも速くてポジション的には4番手ですけど、決勝ペースは蓋を開けてみないと分からないから、予選の後はバランス的に取れるようになってきたので、しぶとく戦うつもり。長いレースですから、ミスなくみんなが出し切れれば、いい結果が残るんじゃないでしょうか。
決勝レース
今回は全クラス混走レースのため、決勝レースは日曜日の昼からのスタートとなった。それに先駆けて行われた、GR 86/BRZレースのプロフェッショナルシリーズでは坪井が初優勝、久保が悲願のシリーズチャンピオンを獲得! ただし、余韻に浸っていられたのは、ほんのわずかな時間。何せ86/BRZレースの終了から、スーパー耐久のスタート進行までのインターバルは30分にも満たないのだから。そんな慌ただしいチームメイトに代わって、ピットからグリッドまで「GR Garage水戸インターGR86」の移動を細川が買って出ていたほどだ。
今回のスタート担当は坪井。オープニングラップのうちに1台をかわしていくも、続いて前を行く2台に襲いかかるほどのスピードはない。それでも、大きな遅れをとることなく、4台でのトップ争いを繰り広げる。そんな中、12周目には4番手に後退。
38周目に久保に代わると、素早いピットワークで同じ周に入ってきた車両をかわして、再び3番手に。そのままポジションをキープし続けていたのだが、60周目にドライビングスルーペナルティを命じられてしまう。久保の走行中に接触があり、これが危険なドライブ行為と判定されたからだ。やむなく久保は次の周、ピットに舵を取る。
折り返しを過ぎてまもなくの69周目、ここからは細川の番。だが、ポジションは4番手のまま、周回を重ねざるを得ず。そして、残り1時間20分を切った96周目に坪井は再び「GR Garage水戸インターGR86」に乗り込むこととなる。
そしてゴールまで20分強というタイミングで、2番手を走行していた車両が電気系トラブルを抱えたため、3番手に浮上。しかも、坪井は淡々と走り続けていただけではない。交代時に前を行く車両とは1分ほどあった差を、30秒を切るまでに縮めていたのだから。まさに意地を見せた、ということなのだろう。
3位という結果を得たことで、差は6ポイントまで縮まったとはいえ、依然としてランキングトップは死守。「GR Garage水戸インターGR86」と久保、細川、坪井は、残り2戦も全力を尽くす。
久保凜太郎
良かったです。他のチームの後退にも救われましたが、とりあえず……。ちょっとクルマ的には足りないことが、また明らかになりましたので、もう一回見つめなおします。チャンピオン獲れるように次までに仕切り直しますので、ご期待ください。ドライビングスルーの素は僕。全然納得いかないんですけど、仕方ない、もらってしまったものはもらってしまったんですから。次から気をつけます。
細川慎弥
ちょっとまわりが速いですね。いろいろありましたが、うちとしては3位でポイントを重ねられたので、最悪の事態は免れたと思います。あと2戦。今回はエンジンの差が大きく出ていたので、でも残りはそこまでエンジンパワーが影響するレイアウトでもないので、一回クルマは見直していきたいと思います。
坪井翔
朝からバタバタし過ぎて、何があったか覚えていないんですけど、いろいろあり過ぎて(苦笑)。今回、僕らにはスピードがなかったので、そこは純粋に負けを認めて、しっかりやらなきゃいけないことを見つめ直してやっていきたいと思います。幸い、走りきれて3位を獲れたので、ランキングのトップも守りきれているので、残り2戦、今回のスピードをしっかり追求して、また勝てるように頑張りたいと思います。
(文:秦直之)

【レポート】スーパー耐久 岡山大会3時間レース!
2020.11.10
開幕2連勝から迎えた第3戦のレースレポートです😎
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PIRELLIスーパー耐久シリーズ2020第3戦
スーパー耐久レースin岡山
10月31日 岡山国際サーキット
序盤の追突で全勝の夢絶たれるも、しっかり追い上げて5位でフィニッシュ!
スーパー耐久シリーズに参戦するC.S.I Racingは、今シーズンもAドライバーに久保凜太郎を、Bドライバーに細川慎弥を引き続き起用。さらにCドライバーとして坪井翔を新たに加え、「GR Garage水戸インターGR 86」で2シーズン目のST-4クラスに挑む。
岡山国際サーキットでのレースは、本来ならばシリーズ最終戦として開催されるはずだったが、新型コロナウイルスの影響でスケジュールが大幅に変更されたため、日程はそのままシリーズ第3戦として開催されることになった。なお、前回に続き2グループ開催となり、ST-4クラスとST-5クラスだけの決勝レースが、予選とともに土曜日に行われることとなっている。
開幕戦の富士24時間、続くSUGOでの3時間レースは、いずれもポール・トゥ・ウィンを飾って勢いは十分! 強者の証でもあるウエイトハンデが、25kgに達したのは気になるところではあるが、重さをはね退けて連勝街道を駆け抜けてくれることが期待される。
公式予選
ここまでの2戦、いずれも雨に見舞われたものの、この週末はまったく心配なさそう。もちろん恵みの雨となることもあるが、やはり爽やかなドライコンディションで、レースがしたいものである。
最終チェックとなる金曜日の専有走行は、1時間ずつ3セッション行われたが、最初の2セッションは3番手、2番手とトップからは遅れを取っていた。しかし、大幅にセットを変更した最後のセッションにおいて「GR Garage水戸インターGR86」は、ようやく1分43秒249をマークしてトップに浮上。上々の手応えを得られたところで、本番を迎えることとなった。
土曜日の早朝に行われた予選は温度も低めだったことから、Aドライバー予選に挑んだ久保は、入念にタイヤのウォームアップを行ってから、アタックを開始した。計測3周目に1分42秒974を記してトップに立つと、次の周には1分42秒646にまでタイムアップ。だが、計測終了間際に一台の逆転を許し、2番手となってしまう。
続いてBドライバー予選に挑んだ細川は、周回を重ねるごとタイムを縮めていき、いったんはトップに立つも、すぐに2番手に。それでも渾身の走りで1分42秒840を絞り出す。そして、タイム合算の結果、僅差ではあったが3戦連続のポールポジション獲得が決定! この後、行われたCドライバー予選においても、ユーズドタイヤで坪井が1分44秒090をマークして、金曜日までの不安を一掃することとなった。
久保凜太郎
今週は走り初めから『沼』に片足を沈め続けていたんですが、みんなで話し合った結果、金曜日最後の枠で軌道修正できました。Aドラ予選ではやられちゃいましたが、慎弥さんのおかげでポールが取れました。ただ、決勝ではけっこうペース良さそうなチームもいるので、そのへんがちょっと不安かな、って感じですね。今までみたいに予選も決勝も余裕という感じではないので、ウエイトが効いてきているのかもしれません。まぁ、大丈夫でしょう。
細川慎弥
良かったです、初めて予選で仕事できた感じ。今回は自分自身のドライビングも冷静に判断しながら、予選までに。クルマも昨日の最後でセットも良くなったし、今まででいちばん安心して予選に挑めたかな、自分自身。いい予選でした。こうなったら、また3連勝目指していますし、ミスなくしっかりやれれば、見えてくるんじゃないかな、と思っています。
決勝レース
今回も短いインターバルで、土曜日のうちに決勝レースを迎えることとなった。今回、「GR Garage水戸インターGR86」のスタートを担当するのは細川だ。オープニングラップのヘアピンで一台の先行を許したものの、その後遅れをとることなく3台でトップを争いながら、周回は重ねられていく。
ところが、9周目の1コーナーで思いもよらぬ事態が発生。ブレーキングで止まりきれなかった後続車両と接触し、サンドトラップまで弾き出されてしまったのだ! 復帰はできたものの、その間に2周遅れとなり、全勝の夢は完全に絶たれてしまう。その後、「GR Garage水戸インターGR86」はピットに戻って、坪井と交代。ここで併せてタイヤも交換する。
クラス最下位で淡々と周回を重ねていった坪井ながら、20周目にはファステストラップとなる1分44秒356を記すなど、ペースはトップを争う車両を上回るほど。このハイペースが後に功を奏することとなる、一台のリタイアで6番手となり、1時間45分経過した56周目に久保にバトンタッチ。80周目にはコース上で一台を抜いて、5番手に浮上することとなったからだ。
そのままの順位でゴールとなったが、予選トップの2ポイントに、さらに8ポイントを加えられたことで、ランキングのトップは死守。次戦は11月21〜22日にツインリンクもてぎで開催される。「GR Garage水戸インターGR86」にとっては、言うまでもなくホームコース。引き続き必勝態勢で臨む。
久保凜太郎
まぁ、5位まで上がれてポイント獲れたので……。しょうがないですね、レースだから。分からないですね。もう、いっぱいいっぱいでしたね。僕のスティントはあんまりペースが良くなくて、ガタじゃないけど、ボロが出始めました。詰めなきゃいけないところが、まだまだたくさんあるね、っていう感じでした。まぁ、いいんじゃないですか。全勝チャンピオンなんて言っていましたけど、できなかったんですけど、チャンピオン獲る上で一回、ふんどし締め直すタイミングじゃないかと思うこととします。
細川慎弥
レーシングアクシデントになっちゃいました。レースだから、そこをとやかく言う気はないし、順位がひっくり返るわけではないし。ただ、自分の感覚的には「ないよな」と思っていて。だから、本人も代わってすぐ、飛んでくるぐらいのタイミングで来て、謝りにきたので、どう思っているの、って聞いたら、「僕が止まれていないから」と向こうは認めていたから、それはそれでしょうがないというか、流すしかありません。それにしても、後半うちもかなりブレーキ関係でバランスも良くなかったみたいなので、そのへんをしっかり見つめ直して。次はもてぎなので、チームの地元でもあるし、去年勝っているので、ちょっといったんリセットというか、もう一回組み立て直して、やっていこうと思っています。
坪井翔
練習からあんまり速くなかったのに、予選までになんとか仕上がって、なんとか戦えると思ったところで、ふたりが頑張ってくれてポール獲れたので、貴重な2ポイントを獲れて良かったんですけどね……。決勝のあれはレーシングアクシデントとして、しょうがない部分ではありました。ただ、1ポイントでも多く獲るために、チームのみんなが最後まで頑張って、5位でゴールできて良かった。本当だったら6位だったのが、5位で終われたってことが良かったし、僕のスティント、けっこう速かったと思うので。そこは良かったんですが、それが結果につながらなかったのは残念です。たぶん2連勝して、浮かれている部分もあったと思うので、もう一回チームみんなで気を引き締めて、また優勝できるように頑張りたいと思います。
(文:秦直之)

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