【レポート】S耐 SUGO3時間レース優勝!
2020.10.23
開幕から2戦連続ポールトゥウィンを飾った、スーパー耐久SUGO3時間レースレポートです😎
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PIRELLIスーパー耐久シリーズ2020第2戦
SUGOスーパー耐久3時間レース
10月10日 スポーツランドSUGO
2戦連続ポール・トゥ・ウィン達成、目指すは全勝チャンピオン!
スーパー耐久シリーズに参戦するC.S.I Racingは、今シーズンもAドライバーに久保凜太郎を、Bドライバーに細川慎弥を引き続き起用。さらにCドライバーとして坪井翔を新たに加え、「GR Garage水戸インターGR 86」で2シーズン目のST-4クラスに挑む。
新型コロナウイルスの影響で9月からの開幕となったこともあり、スポーツランドSUGOでのレースは例年どおり第2戦としての開催ながら、季節は春から秋へと改められた。なお、今回は3時間レースとして2グループ開催となり、ST-4クラスとST-5クラスだけのレースは、予選と決勝が土曜日で終わるものの、バトルが普段以上に注目される「花の舞台」でもある。
開幕戦の富士では、初のポールポジションからスタートを切り、24時間にも及ぶ長き戦いの末に優勝を飾ることとなった。それから1か月あまり、まだ勢いを保ったままのレースにおいて、引き続きの快進撃が期待された。
公式予選
台風14号接近によって、開催そのものが一時は危ぶまれたものの、東北地方には大きな影響が及ぶことはなく、無事レースが開催されることに。土曜日の予選と決勝に先駆け、金曜日に1時間半の専有走行が2セッション行われ、ドライコンディションで周回が重ねられていった。ユーズドタイヤでの走行だったこともあり、トップこそ明け渡したものの、2セッションとも「GR Garage水戸インターGR86」は2番手につけ、滑り出しは上々。
ところが、土曜日になると台風こそ大幅に逸れていったが、秋雨前線の影響によって終日ウェットコンディションへと転じてしまう。全クラス混走のフリー走行こそ1分53秒609で5番手だったものの、よりクリアラップが取りやすい予選は、若干雨足も弱まったことで路面状態も向上。Aドライバー予選に挑んだ久保は、1コーナー寄りのピットだったことが功を奏し、絶えずほぼ水しぶきを受けない状態でのアタックが可能となっていた。
最初の計測ラップは、FFのインテグラに次ぐ2番手。直後に赤旗中断もあったが、リズムを狂わされることのなかった久保は、再開後も周回ごとタイムを縮めていき、1分47秒868でトップに立つ。
続くBドライバー予選は雨量も増して、全体的にタイムも低調な中、細川は1分49秒900で3番手。ここでも赤旗中断があったが、再開後の計測機会は1周だけとあって、タイム更新は叶わず。それでもタイム合算ではトップとなって「GR Garage水戸インターGR 86」は、2戦連続でポールポジションを獲得することとなった。なお、続いて行われたC/Dドライバー予選においても坪井が1分49秒533でトップにつけ、まさに盤石の構えにもなっていた。
久保凜太郎
ピット位置が本当に良かった。それもあって僕はAドラ予選でいいタイムが出せて、トップを獲ることができました。その後のBドラ予選は雨量も増えたし、赤旗のタイミングも悪くて慎弥さんは大変だったとは思いますが、結果的にまたポールポジションが獲れて良かったです。正直、あんまり実感はないですけどね!
細川慎弥
凜太郎がいつものとおりマージンを作ってくれましたから、助かりましたけど、僕は全然納得いっていません(苦笑)。再開後はさらに雨が強くなっていたから、あそこからのタイムアップは難しかったですし。赤旗が出た周にセクターベストも出せていたので、それで言うと、もうちょっと出たのかな、と思いますけど、まぁ良しとします。
決勝レース
予選終了から、わずかなインターバルで迎えた決勝レース。慌ただしくはあったが、いいリズムを保ったままであったのは間違いない。雨は一向にやむ気配がなかったことから、セーフティカー(SC)スタートでの開始とされた。すると、義務づけられたドライバー交代を伴うピットストップを、1周目から行うチームが。これに「GR Garage水戸インターGR 86」も反応し、なんとスタート担当だった久保を2周だけでピットに呼び戻し、細川と交代する。
ここで少々誤算だったのは、1周目に交代を行なったチームよりも後方でコースに戻らざるを得なかったこと。5周目のリスタート後は徐々に順位を上げていくが、抜き続けるST-5クラスも勝負をしているだけに、すんなりとは行かせてくれない。ST-5クラスの車両を全部抜いて、クラス5番手とするまで10周を要し、その間にトップとは50秒の差がついてしまう。4番手の車両も、すぐ目の前なのだがガードは固く、細川は逆転を頑なに拒まれていた。
そこで1時間を超えて間もなく「GR Garage水戸インターGR 86」はギャンブルに討って出る。31周目に坪井と交代し、残りの2時間弱を託すこととしたのだ。坪井のペースはライバルよりも明らかに早く、順位を上げていくのは時間の問題だと思われた。しかし、それから15分後の42周目にまたもやSCが。ほとんどの車両が、この間にピット義務を消化。ただし、意外なことにST-4クラスの車両は結果的に一列で並ぶことになり、2回目のピットストップは致命傷にならずに済む。坪井のポジションは3番手。
その後50周目から3周にわたってまたSCが入ったことで、トップとの差が1秒ほどに縮まったことから、流れは一気に変わった感はあった。ほぼ2時間経過の56周目、馬の背でまず1台をパスして2番手に浮上! そして60周目のハイポイントコーナーで坪井は、待望のトップに躍り出る。
そのまま逃げるまでには至らなかった坪井ではあったが、ミスのない走りで後続につけ入る隙を与えず。逃げ切って「GR Garage水戸インターGR 86」が開幕2連勝を果たすこととなった。
次回のレースは10月31日に岡山国際サーキットで開催され、引き続き300kmでの戦いとなる。絶好調の「GR Garage水戸インターGR 86」の激走に、このままご期待あれ!
久保凜太郎
1周で入ってくることになるなんて、僕も思っていませんでした(笑)。「ありだね!」とは言っていましたが、チームの判断で。ただ、1周早く入っていたライバルにSC中に前に出られちゃって、逆にうちはST-5クラスの集団の後ろで出たから、それが100%正解の作戦だったか分かりませんし、苦しい展開にもなってしまったかもしれません。
だからこそ、すべて坪井選手のおかげです。だいぶ助けてもらいました。まぁ、まわりもSCのタイミングを活かしきれたとは言えないし、結果的に帳消しとなったというか。チームとしてまだまだデータもないし、作戦の幅も少ないから、こういうのは今後の課題ですね。
2連勝です、とりあえず。チャンピオン獲るなら、僕ら全勝チャンピオンしか考えていないので、まだある意味通過点。力を持っているチームだと思うので、今後も頑張ります。
細川慎弥
ほんと、坪井選手のおかげです、感謝です。自分が乗っているときはペースも上げられず、でも変わってからの坪井選手のペースが速かったので、ちょっと自分の不甲斐なさも感じつつ。チームとしては最高の結果になりましたね。
坪井翔
2回目、ピット入るタイミングは完全に失敗しましたけど、SCに助けられてギャップがかなり詰まったので、その後、僕が抜けば勝てるなと。十分時間があったんで、残り1時間も。うまくコース上で2台とも抜くことができて、そこからのペースも良かったし。最後、ちょっと追いつかれましたが、しっかりトップに立っていいレースができたので、ずいぶん長いこと走りましたけど、達成感のある優勝だったと思います。
僕自身、今は本当にいい流れで、スーパーフォーミュラでも勝って、GTもポイントリーダーになっているので、この流れを自分で崩さないように、いい形で今後のシーズンを戦っていきたいと思います。
(文:秦直之)
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PIRELLIスーパー耐久シリーズ2020第2戦
SUGOスーパー耐久3時間レース
10月10日 スポーツランドSUGO
2戦連続ポール・トゥ・ウィン達成、目指すは全勝チャンピオン!
スーパー耐久シリーズに参戦するC.S.I Racingは、今シーズンもAドライバーに久保凜太郎を、Bドライバーに細川慎弥を引き続き起用。さらにCドライバーとして坪井翔を新たに加え、「GR Garage水戸インターGR 86」で2シーズン目のST-4クラスに挑む。
新型コロナウイルスの影響で9月からの開幕となったこともあり、スポーツランドSUGOでのレースは例年どおり第2戦としての開催ながら、季節は春から秋へと改められた。なお、今回は3時間レースとして2グループ開催となり、ST-4クラスとST-5クラスだけのレースは、予選と決勝が土曜日で終わるものの、バトルが普段以上に注目される「花の舞台」でもある。
開幕戦の富士では、初のポールポジションからスタートを切り、24時間にも及ぶ長き戦いの末に優勝を飾ることとなった。それから1か月あまり、まだ勢いを保ったままのレースにおいて、引き続きの快進撃が期待された。
公式予選
台風14号接近によって、開催そのものが一時は危ぶまれたものの、東北地方には大きな影響が及ぶことはなく、無事レースが開催されることに。土曜日の予選と決勝に先駆け、金曜日に1時間半の専有走行が2セッション行われ、ドライコンディションで周回が重ねられていった。ユーズドタイヤでの走行だったこともあり、トップこそ明け渡したものの、2セッションとも「GR Garage水戸インターGR86」は2番手につけ、滑り出しは上々。
ところが、土曜日になると台風こそ大幅に逸れていったが、秋雨前線の影響によって終日ウェットコンディションへと転じてしまう。全クラス混走のフリー走行こそ1分53秒609で5番手だったものの、よりクリアラップが取りやすい予選は、若干雨足も弱まったことで路面状態も向上。Aドライバー予選に挑んだ久保は、1コーナー寄りのピットだったことが功を奏し、絶えずほぼ水しぶきを受けない状態でのアタックが可能となっていた。
最初の計測ラップは、FFのインテグラに次ぐ2番手。直後に赤旗中断もあったが、リズムを狂わされることのなかった久保は、再開後も周回ごとタイムを縮めていき、1分47秒868でトップに立つ。
続くBドライバー予選は雨量も増して、全体的にタイムも低調な中、細川は1分49秒900で3番手。ここでも赤旗中断があったが、再開後の計測機会は1周だけとあって、タイム更新は叶わず。それでもタイム合算ではトップとなって「GR Garage水戸インターGR 86」は、2戦連続でポールポジションを獲得することとなった。なお、続いて行われたC/Dドライバー予選においても坪井が1分49秒533でトップにつけ、まさに盤石の構えにもなっていた。
久保凜太郎
ピット位置が本当に良かった。それもあって僕はAドラ予選でいいタイムが出せて、トップを獲ることができました。その後のBドラ予選は雨量も増えたし、赤旗のタイミングも悪くて慎弥さんは大変だったとは思いますが、結果的にまたポールポジションが獲れて良かったです。正直、あんまり実感はないですけどね!
細川慎弥
凜太郎がいつものとおりマージンを作ってくれましたから、助かりましたけど、僕は全然納得いっていません(苦笑)。再開後はさらに雨が強くなっていたから、あそこからのタイムアップは難しかったですし。赤旗が出た周にセクターベストも出せていたので、それで言うと、もうちょっと出たのかな、と思いますけど、まぁ良しとします。
決勝レース
予選終了から、わずかなインターバルで迎えた決勝レース。慌ただしくはあったが、いいリズムを保ったままであったのは間違いない。雨は一向にやむ気配がなかったことから、セーフティカー(SC)スタートでの開始とされた。すると、義務づけられたドライバー交代を伴うピットストップを、1周目から行うチームが。これに「GR Garage水戸インターGR 86」も反応し、なんとスタート担当だった久保を2周だけでピットに呼び戻し、細川と交代する。
ここで少々誤算だったのは、1周目に交代を行なったチームよりも後方でコースに戻らざるを得なかったこと。5周目のリスタート後は徐々に順位を上げていくが、抜き続けるST-5クラスも勝負をしているだけに、すんなりとは行かせてくれない。ST-5クラスの車両を全部抜いて、クラス5番手とするまで10周を要し、その間にトップとは50秒の差がついてしまう。4番手の車両も、すぐ目の前なのだがガードは固く、細川は逆転を頑なに拒まれていた。
そこで1時間を超えて間もなく「GR Garage水戸インターGR 86」はギャンブルに討って出る。31周目に坪井と交代し、残りの2時間弱を託すこととしたのだ。坪井のペースはライバルよりも明らかに早く、順位を上げていくのは時間の問題だと思われた。しかし、それから15分後の42周目にまたもやSCが。ほとんどの車両が、この間にピット義務を消化。ただし、意外なことにST-4クラスの車両は結果的に一列で並ぶことになり、2回目のピットストップは致命傷にならずに済む。坪井のポジションは3番手。
その後50周目から3周にわたってまたSCが入ったことで、トップとの差が1秒ほどに縮まったことから、流れは一気に変わった感はあった。ほぼ2時間経過の56周目、馬の背でまず1台をパスして2番手に浮上! そして60周目のハイポイントコーナーで坪井は、待望のトップに躍り出る。
そのまま逃げるまでには至らなかった坪井ではあったが、ミスのない走りで後続につけ入る隙を与えず。逃げ切って「GR Garage水戸インターGR 86」が開幕2連勝を果たすこととなった。
次回のレースは10月31日に岡山国際サーキットで開催され、引き続き300kmでの戦いとなる。絶好調の「GR Garage水戸インターGR 86」の激走に、このままご期待あれ!
久保凜太郎
1周で入ってくることになるなんて、僕も思っていませんでした(笑)。「ありだね!」とは言っていましたが、チームの判断で。ただ、1周早く入っていたライバルにSC中に前に出られちゃって、逆にうちはST-5クラスの集団の後ろで出たから、それが100%正解の作戦だったか分かりませんし、苦しい展開にもなってしまったかもしれません。
だからこそ、すべて坪井選手のおかげです。だいぶ助けてもらいました。まぁ、まわりもSCのタイミングを活かしきれたとは言えないし、結果的に帳消しとなったというか。チームとしてまだまだデータもないし、作戦の幅も少ないから、こういうのは今後の課題ですね。
2連勝です、とりあえず。チャンピオン獲るなら、僕ら全勝チャンピオンしか考えていないので、まだある意味通過点。力を持っているチームだと思うので、今後も頑張ります。
細川慎弥
ほんと、坪井選手のおかげです、感謝です。自分が乗っているときはペースも上げられず、でも変わってからの坪井選手のペースが速かったので、ちょっと自分の不甲斐なさも感じつつ。チームとしては最高の結果になりましたね。
坪井翔
2回目、ピット入るタイミングは完全に失敗しましたけど、SCに助けられてギャップがかなり詰まったので、その後、僕が抜けば勝てるなと。十分時間があったんで、残り1時間も。うまくコース上で2台とも抜くことができて、そこからのペースも良かったし。最後、ちょっと追いつかれましたが、しっかりトップに立っていいレースができたので、ずいぶん長いこと走りましたけど、達成感のある優勝だったと思います。
僕自身、今は本当にいい流れで、スーパーフォーミュラでも勝って、GTもポイントリーダーになっているので、この流れを自分で崩さないように、いい形で今後のシーズンを戦っていきたいと思います。
(文:秦直之)