【レポート】スーパー耐久 開幕戦 鈴鹿サーキット
2022.03.23
COROLLA SHIN-IBARAKI CSI Racing
ENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook
SUZUKA 5時間耐久レース
3月19〜20日 鈴鹿サーキット(三重県)
予選:ドライ
決勝:ドライ
クラス:ST-Z
ゼッケン:310
エントリー数:トータル 51台/ST-Zクラス 7台
新たな布陣でスタートした開幕戦、ラスト10分間の大逆転で2位表彰台をゲット!
COROLLA SHIN-IBARAKI CSI Racingは、4シーズン目のスーパー耐久シリーズに臨むにあたり、体制を一部刷新。昨年の2台体制から1台体制に戻し、ST-ZクラスでトヨタGRスープラGT4を走らせることとなった。
鈴鹿サーキットが舞台の開幕戦で、「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」をドライブするのは、山崎学と坪井翔、野中誠太、そして細川慎弥の4人。坪井と細川が継続参戦で、山崎はST-3クラスから、野中はST-2クラスから移行し、チームに新規参戦となる。
シリーズは1戦増となる全7戦での開催が予定され、またランキングは上位6戦の有効ポイント制度が採用された。なお、今回は8クラス混走の5時間レースとして競われ、ドライバー交代を伴うピットストップの義務づけは3回となっている。


左から野中選手、細川選手、坪井選手、山崎選手


公式予選
開幕戦ということもあって、練習走行は木曜日のスポーツ走行から開始され、もちろん「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」は積極的に周回を重ねていた。専有走行が行われた金曜日からは、生憎の雨模様となったものの、好調ぶりは変わらない。午前の専有走行こそごく少ない周回に留めたものの、午後からは積極的に走行し、セッション最後に坪井が好タイムを出して締めるなど、予選や決勝が引き続き雨に見舞われようとも対応できるよう、しっかり状況を整えていた。
もっとも土曜日になると、予報で告げられていたとおり天気は回復。午前のフリー走行は、路面の一部に水を残すかと思われていたが、完全にドライタイヤで走行できる状況となっていた。ここでは山崎にマシンの理解をより進めてもらうために最初に走らせ、2分14秒569を記録するまでとなったところで坪井にバトンタッチ。さらに速さを極めるべくセットを詰めながら、ピットストップを繰り返しつつ周回が重ねられる。そして、チェッカー間際には2分13秒815にまで短縮を遂げて、4番手につけることとなった。
かくして万全の構えとして臨んだ公式予選は、Aドライバーの山崎から走行を開始。計測2周目からのアタックをしっかり決め、2分12秒649を記録して2番手と、上々の滑り出しとした。
続いてBドライバー予選に挑んだ坪井だったが、西コースから小雨が降り出したとの情報が。幸い路面を著しく濡らすまでではなかったものの、足を取られてスピンする車両も。本来なら坪井も計測2周目からアタックするはずが、黄旗の提示で仕切り直さねばならず、その間にタイヤはピークを迎えてしまう。全体にタイムアップは果たしていたものの、坪井は2分11秒582で6番手に留まったものの、合算タイムでは3番手を獲得。
なお、この後に行われたCドライバー予選では野中が2分14秒321で2番手、Dドライバー予選で細川が2分14秒769で3番手と、いずれもユーズドタイヤで周回を重ねても、タイムを揃えてきたことは、決勝レースに向けての好材料と言えるだろう。
選手コメント
▶山崎学
初めての車、初めての予選ということで、少しずつ車に慣れてきている状況で、予選が始まってしまったという感じで、振り返ればもう少しいけた様にも思います。その中で、頼もしいチームメイトがサポートしてくれて、理解するスピードは予想以上に短縮されています。走行を重ねるごとに更に整っていくと思いますが、今はあらゆることを学習をしている状況です。1番を獲りたいと思っていたので、悔しい思いはありますが、決勝は着実に行きたいです。
▶坪井翔
うちらは、すべてが初めてのところから始まっているので、できればドライでいろいろセットアップをやりたかったんですけど、できないところで予選になってしまったので、ちょっと残念だったかなと……。それでも山崎さんが初めての予選で、めちゃくちゃいいアタックをしてくれて、すごく良かったなって感じでした。
でも、Bドライバー予選でアタック中に黄旗が出ちゃって、一回やめなくちゃいけなくて、もう1周行ったんですが、基本的に1周しかないので、全然アタックできずという感じで終わってしまいました。Bドライバー予選としては残念だったかなという感じで。トップの2台の車、スープラ以外が速そうなので、そこらへんをなんとか明日は抜いていきたいと思います。
決勝レース
結局、雨に見舞われたのはBドライバー予選の一瞬だけで、決勝レースが行われる日曜日は、再び穏やかな天気に戻っていた。今回はウォームアップ走行が行われず、予選の後いきなり本番ということに。10時55分からスタート進行が開始され、50台が並べられた決勝グリッドは、まさに壮観そのものであった。
開幕戦の「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」は、坪井が最初にステアリングを握ることに。それが意味することを誰より理解していた坪井は、1周目を終えた直後にはトップに浮上。そのまま後続を引き離しにかかる。だが、8周目からシケインで発生したアクシデントへの対応がFCY(フルコースイエロー)で済んでいれば良かったが、やがてSC(セーフティカー)に改められると、せっかく築いたリードが縮まる不運も。その後、もう一度FCY対応もあり、確固たるマージンをつかめぬまま1時間30分ほど経過した35周目に、野中と代わらざるを得ず。
GR SUPRA GT4そのものの弱点でもある、給油に時間がかかることもあって、いったんは順位を落とすも、コース上の速さではライバル車両に負けていない。野中もやがて2番手に返り咲いて、トップを追いかける。69周目からの第3スティントは山崎が担当。トップとジェントルマンドライバー同士の戦いが繰り広げられたが、若手ドライバーの駆る1台が近づいてきて、ひとつ順位を落としたのはやむを得まい。しかし、山崎も大きく遅れをとることなく続いていった。
最終スティントを担当したのは、細川ではなく野中。96周目からの残り1時間で30秒以上あった2番手との差を、着実に詰めていく。そして118周目にはテール・トゥ・ノーズ状態としたところで、もはや野中に躊躇の様子はなかった。次の周のバックストレートで、一発で仕留めて2番手に浮上! これがチェッカーまで残り9分間という土壇場でもあった。
残り周回を手堅く走り切った、「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」は2位でフィニッシュし、今年最初のレースから表彰台を獲得することとなった。
第2戦はシリーズ最大の山場となる、富士24時間レースとして6月3〜5日に開催される。大量得点が可能であるだけに、絶対に落とせない一戦となる。
選手コメント
▶山崎学
チームやパートナーのドライバーの実力からすると、簡単に優勝してもおかしくない体制なのですが、レースってそんなにうまくはいかないですね。ちょっとした噛み合わせがうまくいかないだけで、こうやって勝利を逃してしまう。新チームなので、いろいろ見直して次戦に備えようと。僕も改善できるところがあるので、しっかり準備をして次は勝ちたいですね。

▶坪井翔
僕にとって初めてのスープラでのレースだったので、まずはしっかり完走して……というところだったんですが、思ったより最初のペースが良かったので、抜けるだけ抜いてみようと。ただ僕、ST-4クラスしか出たことがないから、今まで抜かれる側だったのが抜く側になったので、ちょっとそこはいろいろトライしながら、どうしたらうまく走れるか探りながら走っていたんですが、ペースも良かったので順調に行ったんですけど……。
いろいろチームとして課題の残るレースだったにも関わらず、2位で終われましたし、これで2位獲れるなら、全然優勝も狙えるんじゃないかってぐらい手応えもあったレースなので、次につながる、いいレースになったと思います。次は24時間、ポイントでかいんで頑張ります!

▶野中誠太
まったく新しい環境でのレースで、それほどテストの時間もあったわけじゃなかったんですけど、ひとりひとりがしっかりと仕事できたので、表彰台も獲得できました。ただ、課題はたくさんあって、それをしっかり改善できれば優勝が見えるっていうのが、今回すごく分かったので、ポジティブな終わり方かなと思います。
最後のスティントでは、相手もブロックしてくるのは分かっていたので、こっちは一段と冷静に取り組むように意識していたので、落ち着いてオーバーテイクできて良かったです。

▶細川慎弥
基本、自分の中では走れるチャンスは今年ないと思っています(笑)、まぁ次の24時間ぐらいですかね。チームの中のバランスを取りながら、新体制になって初レースで、いろいろ戦って見えた中で足りないところとか、ドライバー側も見えたところはあるし、メカ側もできることあるし。そのへんを24時間までに修正もしつつ成長していければいいな、と思っていますね、チームとして。
スピード的にはセットアップやってきたことが間違いなかった雰囲気はあるので、そのあたりのバランスが取れれば、優勝も自力であると思うので、しっかりまとめていきたいです。


RQ(左)美仲香波さん (右)神崎蓮さん


いい雰囲気のドライバー達

チーフメカニック 岡田スタッフ

社員メカニック 鈴木スタッフ

社員メカニック 根岸スタッフ

社員メカニック 塙スタッフ

社員メカニック 山田スタッフ









ENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook
SUZUKA 5時間耐久レース
3月19〜20日 鈴鹿サーキット(三重県)
予選:ドライ
決勝:ドライ
クラス:ST-Z
ゼッケン:310
エントリー数:トータル 51台/ST-Zクラス 7台
新たな布陣でスタートした開幕戦、ラスト10分間の大逆転で2位表彰台をゲット!
COROLLA SHIN-IBARAKI CSI Racingは、4シーズン目のスーパー耐久シリーズに臨むにあたり、体制を一部刷新。昨年の2台体制から1台体制に戻し、ST-ZクラスでトヨタGRスープラGT4を走らせることとなった。
鈴鹿サーキットが舞台の開幕戦で、「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」をドライブするのは、山崎学と坪井翔、野中誠太、そして細川慎弥の4人。坪井と細川が継続参戦で、山崎はST-3クラスから、野中はST-2クラスから移行し、チームに新規参戦となる。
シリーズは1戦増となる全7戦での開催が予定され、またランキングは上位6戦の有効ポイント制度が採用された。なお、今回は8クラス混走の5時間レースとして競われ、ドライバー交代を伴うピットストップの義務づけは3回となっている。


左から野中選手、細川選手、坪井選手、山崎選手


公式予選
開幕戦ということもあって、練習走行は木曜日のスポーツ走行から開始され、もちろん「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」は積極的に周回を重ねていた。専有走行が行われた金曜日からは、生憎の雨模様となったものの、好調ぶりは変わらない。午前の専有走行こそごく少ない周回に留めたものの、午後からは積極的に走行し、セッション最後に坪井が好タイムを出して締めるなど、予選や決勝が引き続き雨に見舞われようとも対応できるよう、しっかり状況を整えていた。
もっとも土曜日になると、予報で告げられていたとおり天気は回復。午前のフリー走行は、路面の一部に水を残すかと思われていたが、完全にドライタイヤで走行できる状況となっていた。ここでは山崎にマシンの理解をより進めてもらうために最初に走らせ、2分14秒569を記録するまでとなったところで坪井にバトンタッチ。さらに速さを極めるべくセットを詰めながら、ピットストップを繰り返しつつ周回が重ねられる。そして、チェッカー間際には2分13秒815にまで短縮を遂げて、4番手につけることとなった。
かくして万全の構えとして臨んだ公式予選は、Aドライバーの山崎から走行を開始。計測2周目からのアタックをしっかり決め、2分12秒649を記録して2番手と、上々の滑り出しとした。
続いてBドライバー予選に挑んだ坪井だったが、西コースから小雨が降り出したとの情報が。幸い路面を著しく濡らすまでではなかったものの、足を取られてスピンする車両も。本来なら坪井も計測2周目からアタックするはずが、黄旗の提示で仕切り直さねばならず、その間にタイヤはピークを迎えてしまう。全体にタイムアップは果たしていたものの、坪井は2分11秒582で6番手に留まったものの、合算タイムでは3番手を獲得。
なお、この後に行われたCドライバー予選では野中が2分14秒321で2番手、Dドライバー予選で細川が2分14秒769で3番手と、いずれもユーズドタイヤで周回を重ねても、タイムを揃えてきたことは、決勝レースに向けての好材料と言えるだろう。
選手コメント
▶山崎学
初めての車、初めての予選ということで、少しずつ車に慣れてきている状況で、予選が始まってしまったという感じで、振り返ればもう少しいけた様にも思います。その中で、頼もしいチームメイトがサポートしてくれて、理解するスピードは予想以上に短縮されています。走行を重ねるごとに更に整っていくと思いますが、今はあらゆることを学習をしている状況です。1番を獲りたいと思っていたので、悔しい思いはありますが、決勝は着実に行きたいです。
▶坪井翔
うちらは、すべてが初めてのところから始まっているので、できればドライでいろいろセットアップをやりたかったんですけど、できないところで予選になってしまったので、ちょっと残念だったかなと……。それでも山崎さんが初めての予選で、めちゃくちゃいいアタックをしてくれて、すごく良かったなって感じでした。
でも、Bドライバー予選でアタック中に黄旗が出ちゃって、一回やめなくちゃいけなくて、もう1周行ったんですが、基本的に1周しかないので、全然アタックできずという感じで終わってしまいました。Bドライバー予選としては残念だったかなという感じで。トップの2台の車、スープラ以外が速そうなので、そこらへんをなんとか明日は抜いていきたいと思います。
決勝レース
結局、雨に見舞われたのはBドライバー予選の一瞬だけで、決勝レースが行われる日曜日は、再び穏やかな天気に戻っていた。今回はウォームアップ走行が行われず、予選の後いきなり本番ということに。10時55分からスタート進行が開始され、50台が並べられた決勝グリッドは、まさに壮観そのものであった。
開幕戦の「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」は、坪井が最初にステアリングを握ることに。それが意味することを誰より理解していた坪井は、1周目を終えた直後にはトップに浮上。そのまま後続を引き離しにかかる。だが、8周目からシケインで発生したアクシデントへの対応がFCY(フルコースイエロー)で済んでいれば良かったが、やがてSC(セーフティカー)に改められると、せっかく築いたリードが縮まる不運も。その後、もう一度FCY対応もあり、確固たるマージンをつかめぬまま1時間30分ほど経過した35周目に、野中と代わらざるを得ず。
GR SUPRA GT4そのものの弱点でもある、給油に時間がかかることもあって、いったんは順位を落とすも、コース上の速さではライバル車両に負けていない。野中もやがて2番手に返り咲いて、トップを追いかける。69周目からの第3スティントは山崎が担当。トップとジェントルマンドライバー同士の戦いが繰り広げられたが、若手ドライバーの駆る1台が近づいてきて、ひとつ順位を落としたのはやむを得まい。しかし、山崎も大きく遅れをとることなく続いていった。
最終スティントを担当したのは、細川ではなく野中。96周目からの残り1時間で30秒以上あった2番手との差を、着実に詰めていく。そして118周目にはテール・トゥ・ノーズ状態としたところで、もはや野中に躊躇の様子はなかった。次の周のバックストレートで、一発で仕留めて2番手に浮上! これがチェッカーまで残り9分間という土壇場でもあった。
残り周回を手堅く走り切った、「GR Garage水戸インターGR SUPRA GT4」は2位でフィニッシュし、今年最初のレースから表彰台を獲得することとなった。
第2戦はシリーズ最大の山場となる、富士24時間レースとして6月3〜5日に開催される。大量得点が可能であるだけに、絶対に落とせない一戦となる。
選手コメント
▶山崎学
チームやパートナーのドライバーの実力からすると、簡単に優勝してもおかしくない体制なのですが、レースってそんなにうまくはいかないですね。ちょっとした噛み合わせがうまくいかないだけで、こうやって勝利を逃してしまう。新チームなので、いろいろ見直して次戦に備えようと。僕も改善できるところがあるので、しっかり準備をして次は勝ちたいですね。

▶坪井翔
僕にとって初めてのスープラでのレースだったので、まずはしっかり完走して……というところだったんですが、思ったより最初のペースが良かったので、抜けるだけ抜いてみようと。ただ僕、ST-4クラスしか出たことがないから、今まで抜かれる側だったのが抜く側になったので、ちょっとそこはいろいろトライしながら、どうしたらうまく走れるか探りながら走っていたんですが、ペースも良かったので順調に行ったんですけど……。
いろいろチームとして課題の残るレースだったにも関わらず、2位で終われましたし、これで2位獲れるなら、全然優勝も狙えるんじゃないかってぐらい手応えもあったレースなので、次につながる、いいレースになったと思います。次は24時間、ポイントでかいんで頑張ります!

▶野中誠太
まったく新しい環境でのレースで、それほどテストの時間もあったわけじゃなかったんですけど、ひとりひとりがしっかりと仕事できたので、表彰台も獲得できました。ただ、課題はたくさんあって、それをしっかり改善できれば優勝が見えるっていうのが、今回すごく分かったので、ポジティブな終わり方かなと思います。
最後のスティントでは、相手もブロックしてくるのは分かっていたので、こっちは一段と冷静に取り組むように意識していたので、落ち着いてオーバーテイクできて良かったです。

▶細川慎弥
基本、自分の中では走れるチャンスは今年ないと思っています(笑)、まぁ次の24時間ぐらいですかね。チームの中のバランスを取りながら、新体制になって初レースで、いろいろ戦って見えた中で足りないところとか、ドライバー側も見えたところはあるし、メカ側もできることあるし。そのへんを24時間までに修正もしつつ成長していければいいな、と思っていますね、チームとして。
スピード的にはセットアップやってきたことが間違いなかった雰囲気はあるので、そのあたりのバランスが取れれば、優勝も自力であると思うので、しっかりまとめていきたいです。


RQ(左)美仲香波さん (右)神崎蓮さん


いい雰囲気のドライバー達

チーフメカニック 岡田スタッフ

社員メカニック 鈴木スタッフ

社員メカニック 根岸スタッフ

社員メカニック 塙スタッフ

社員メカニック 山田スタッフ








